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AT&T、契約期間を過ぎたiPhoneのSIMロックを解除可能に

2012.04.09

Updated by WirelessWire News編集部 on April 9, 2012, 10:43 am JST

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(cc) Image by akiraak2

米大手携帯通信事業者のAT&Tは現地時間6日、iPhoneの提供に際して加入者に求めている2年の契約期間を満了した端末について、8日からSIMロックの解除を可能にすることを明らかにした。

同社の広報担当であるマーク・シーゲル(Mark Siegel)氏が明らかにしたところによると、AT&Tでは「問題なく支払いを行っているユーザー」の端末に関してSIMロック解除を認めるという。そのため、現在長期契約中の端末は対象外。

この措置により、すぐにSIMロックが解除可能になるのは、2009年夏に登場したiPhone 3GSならびにその前のiPhone 3Gの2つで、また2010年夏に出たiPhone 4も数ヶ月後には解除可能になる。

これまでiPhoneを正規キャリア以外で利用する場合は、長期契約の場合にくらべて高額なSIMフリーモデル--AT&TではiPhone 4Sの16GB版が、2年契約では199.99ドル、契約無しのSIMフリーモデルが649ドル--を購入するか、アップル(Apple)が認めていない「Jailbreak」を使う方法がもっぱらだった。

この話題を採り上げたGigaOMでは、AT&Tのこの措置により、とくに2つのMVNO事業者が恩恵を受ける可能性があるとしている。ひとつは、AT&Tの回線を利用してMVNOサービスを提供するH2Oで、同社の場合月60ドルの定額で通話およびSMSが無制限、またデータ通信も1ギガバイトまで可能になる。

もうひとつは、今年第3四半期にサービス開始を予定するフリーダムポップ(FreedomPop)で、データ通信を1ギガバイトまで無料で使える同社のサービスとGSMに対応するTモバイル(T-Mobile USA)の音声通話専用SIM(価格は月35〜50ドル)を組み合わせるというもの。フリーダムポップでは、クリアワイアのWiMAXに対応するiPhone 4および4S用の通信機能付きケースを提供して、データ通信に対応するが、同社では通常の携帯回線をつかった音声通話やショートメッセージには対応しない。

さらに、T-モバイルや下位事業者の提供するプリペイド用SIMを購入して使う、という選択肢もあるという。

なお、AllThingsDではこの動きにより、契約満了となったiPhoneの再販価格が上がる可能性や、米国外へ旅行した際にAT&Tのローミングではなく現地の通信事業者のSIMカードを使って安くすませることが容易になる可能性などを挙げている。

【参照情報】
AT&T gives H2O, FreedomPop the gift of unlocked iPhones - GigaOM
AT&T Will Unlock Out-of-Contract iPhones - Bits (NYTimes)
AT&T iPhone Owners Can Unlock Their Phones, After That Two-Year Contract Anyway - AllThingsD

次世代の小型SIMカード--「ナノSIM」("nano-SIM"))の規格策定に関し、新たな動きが浮上しているという記事はこちら。

アップルは「自社が推す新型SIMカードの規格が標準に採用された場合、アップルが持つこのナノSIMに必要不可欠な特許をロイヤリティフリーで他の企業にも提供する」という内容の手紙を送ったという。

アップル、自社推進SIMに関わる必須特許をライセンス料なしで提供か - 次世代SIM規格争い

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