ノキア、アルカテルからのモバイル通信関連事業取得を検討(Reuters報道)
2013.09.27
Updated by WirelessWire News編集部 on September 27, 2013, 14:22 pm JST
2013.09.27
Updated by WirelessWire News編集部 on September 27, 2013, 14:22 pm JST
マイクロソフト(Microsoft)への携帯端末事業売却後を見据えて戦略の見直しを進めるノキア(Nokia)で、アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent:以下、アルカテル)のモバイル通信関連事業の買収などが検討されているとReutersなどが報じている。
既報の通り、ノキアは先月マイクロソフトへの携帯端末事業売却を発表していた。またその前には独シーメンス(Siemens)から通信機器・サービス関連のJV、NSN(現Nokia Solutions and Networks)の持ち分50%を引き取っていた(NSN完全子会社化は先月完了)。これらの動きにより、携帯端末事業売却後にはNSNの事業がノキア全体の中核になる可能性が高く、WSJでは売上全体の9割以上を占めることになると記している。
Reutersによると、NSNの市場シェアは現在18%ほどだが、アルカテルからモバイル関連事業を手に入れた場合にはこれが30%超まで増加する見通しだという。またBloombergでも、同分野で売上1位のエリクソン(Ericsson、世界シェア約36%)に続くシェアをNSNが獲得し、ファーウェイ(Huawei、同32%)をわずかに上回ることになる、などとしている。
さらに競争力強化の面では、両社の顧客ポートフォリオが補完し合える点が大きいとの指摘もみられる。WSJによると、アルカテルはベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)、AT&T、チャイナ・モバイル(China Mobile)などを顧客に持ち、北米での市場シェアは両社あわせて45%と、エリクソンの50%にほぼ匹敵する規模になるという。
こうしたメリットも期待できる反面、ノキアにとってはアルカテルからの事業買収に慎重にならざるを得ないリスクもある。そのひとつは、アルカテルに業績回復の兆しが見えないことで、同社は今年第2四半期にも8億8500万ユーロの赤字を計上しており、現在も大規模な組織再編を進めているところ。またノキアが事業買収を決めた場合、アルカテル側で生じる余剰人員の削減策などに、同社の株式の一部を保有するフランス政府が反対する可能性などもあるという。さらにアルカテルでは6月に新CEOが就任したばかりで、事業売却などを急ぐ必要はそれほどない、といった指摘もReuter記事のなかにはみられる。
なお、アルカテルによるモバイル関連事業の評価額については、Reutersが11億〜15億ユーロ、Bloombergが最大で35億ユーロとするアナリストの推定をそれぞれ紹介しているが、ノキアではマイクロソフトから携帯端末事業の代金37億9000万ユーロに加えて、16億5000万ユーロの特許ライセンス料を受け取ることになっており、買収にはこの資金が充てられる可能性が高いという。
【参照情報】
・Exclusive: Nokia weighs Alcatel tie-up after Microsoft deal - sources - Reuters
・Nokia Board Has Discussed Pursuit of Alcatel - WSJ
・Nokia Said to Weigh Alcatel Linkup to Boost Mobile Networks - Bloomberg
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