インドの地場の携帯電話端末メーカーMicromax、Celkon、Karbonn、Lavaの4社はアーンドラ・プラデーシュ州のティルパティにあるSri Venkateshwaraモバイル&エレクトロニクス工業団地に製造工場を建設するため、共同で200億ルピー(約400億円)を段階的に投資する計画を明らかにした。
ティルパティの130エーカーの敷地に4社の工場(Celkon:20エーカー、Micromax:15エーカー、 Karbonn:15.28エーカー、Lava:20 エーカー)が設置される予定。これらの工場のスマートフォン製造容量は年産7,000万台を目指している。インドでは2014年のスマートフォンの出荷が約2億6,000万台だった。これ以外にいわゆるフィーチャーフォンはスマートフォン以上に大量に出荷されている。
Micromax、Celkon、Karbonn、Lavaは日本ではほとんど知られていないが、インドでは誰もが知っている有名な携帯電話・スマートフォンのブランドである。MicromaxとLavaはインドの携帯電話出荷のトップ5に常に名前があがる会社である。
今回の工場はインドのモディ首相が主導して推進している。インドでは現在「Make in India」のスローガンのもと、あらゆる産業のインドで生産性向上を目指した政府の取組みが行われている。
今回のティルパティでの工場建設で、10,000~45,000人の雇用確保が期待されている。Celkonでは組み立てラインでは60%は地方の女性を雇用していくことを明らかにしている。ティルパティの工場では2019年までにはインドの携帯電話産業の従事者150万人の5%にあたる75,000人の雇用を目指している。
かつて中国や台湾で製造されていた携帯電話やスマートフォンがインドで製造が開始されている。「モノづくり」に弱いと言われていたインドは過去の話だ。今後はインドで製造された携帯電話やスマートフォンが周辺諸国やアフリカへ多く流通するだろう。
▼ティルパティの位置
【参照情報】
・PM Narendra Modi to lay stone of mobile hub in Tirupati
・PM lays foundation stone for mobile manufacturing facility in Tirupati
・Micromax, Celkon, Karbonn And Lava To Co-locate Mobile Manufacturing At Tirupati
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。