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  • ヴァーチャル世界が拡大する今日に、共感覚的な体験は作れるか

    2025.04.10

    確かに視覚に訴えるメディアが発達した消費社会の台頭により、視覚の質的変化がもたらされたのは事実である。だがそれは同時に、匂いや音など他の感覚の変化も伴うものだった。つまり、宮沢賢治が描き出したように、都市の風景をはじめ周辺環境は五感を通して感じとるものなのだ。

  • いま、物理的な本を売る価値

    2025.04.09

    昼飯を食べに神田まで足を伸ばしたついでに、神保町まで行くことにした。 実は、神保町でひとつ本屋をやっている。 といっても、僕の「店」は、本棚の棚一つ分しかない。 ちょうど在庫が切れ始めていたので、ここいらで在庫を補充して […]

  • 世界が整って見えるのは数学あればこそ

    2025.04.09

    私たちが何気なく暮らす日常には、整った数学の世界が深く静かに浸透しています。車も家電もスマートフォンも、すべてがモデル化された世界の一部として、私たちに快適さや安全を提供してくれています。いろいろなテクノロジーに囲まれなから現代を生きる私たちにとって、世界は「整って」見えます。それは数学があるおかげです。

  • 「インフラ美学」のすすめ

    2025.04.08

    景観についての多くの議論は、インフラのそれもふくめて、畢竟製作者側の論理に偏っているという印象を受ける。だが見ているようで見ていない、そうしたあいまいな経験をどう言語化するのか、インフラ美学は興味深い課題を提供しているのである。

  • すっからかんで美しい零戦の生産に成功した、私たちの忘却

    2025.04.04

    映画「風立ちぬ」は、ひとりの少年がみている夢を描くことから始まる。青い空を飛び交う飛行機たち。ミサイルが発射されるが、それらは生き物のようにうごめく。まるで、海を泳ぎまわる魚たちのようだ。実際の兵器が街を破壊し、人々を傷つけ、殺していくことは片鱗も感じさせない。そこには牧歌的で楽しい夢の世界だけが広がっている。この兵器の描き方は、戦争の被害の矮小化につながるだろうか?

  • 80点の文章の書き方

    2025.04.03

     最近、よく知らない人から「文章うまいですね」と言われる。  それはサッカー選手に「サッカー上手いですね」と言うようなものだ。僕は16歳の頃から商業誌で文章を書いてる。散々鍛えられたし、普通の人とは異なる訓練を積んできた […]

  • 創造的発見の動機づけとなる「メタファー」

    2025.04.01

    メタファーはベクトルとして捉える必要がある。宮澤賢治の翻訳者でもあるユダヤ人作家ロジャー・パルバースは、かつて賢治の詩文の独自性は豊穣なメタファーにあると言い、メタファーとは「我々を遠く彼方へ運ぶ表現」とした。やはりベクトルなのである。

  • ポイント・オブ・ノーリターン:プログラミング、AGI、アメリカ

    2025.03.26

    オライリー・メディアのコンテンツ戦略担当バイスプレジデントを務めるマイク・ルキダスは、以前よりプログラミングの未来について文章を書いており、ワタシもそれをフォローしてきました。2019年5月には、プログラミング・ツールに関し、我々は未だ「パンチカード」を使っているようなものだと不満を表明した上で、「配管工」にたとえられる「ブルーカラー」のプログラマーにとってのプログラミングが、もっと視覚的なものになるべきと論じていますが、その背景には人工知能のコード作成機能がそうしたグラフィカル化を実現してくれるのではという期待がありました。