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  • スーパー書評「ダーウィンが提起した生物の生存経過」
    『種の起原』(八杉龍一訳、岩波文庫上下)

    2025.05.13

    『種の起原』は、誰もが知っている書物ですが、さてしかし、読み通すのは邦訳でもかなり大変です。私事ですが、大学の卒業論文と修士論文のテーマが、この書物に絡んでいましたので、原文、和文とも一応読んだのですが、正直なところかなりの難事であったことは確かです。

  • 検索から生成へ から2年

    2025.05.12

    二年前に上梓した「検索から生成へ」が再び身の回りで話題になっている。 当時はピンと来なかった人も、最近のAIの進歩でようやくわかってくれるようになったらしい。 本書は能天気なまでにAIの進歩を前提としているが、その直感が […]

  • 『君たちはどう生きるか』が大間違いである理由

    2025.05.07

    コペルニクスは37歳の時に地動説の梗概を記した小冊子コメンタリオールス Comentariolus を印刷して知人に配布したが「たいへんな騒ぎ」にならなかったし、主著『天体の回転について』の出版を知るのは、彼が死の床に就いていたときであった。

  • あの警護の失態は、組織事故である

    2025.05.02

    組織がその内的な欠陥によって生み出す事故のことを「組織事故」と呼ぶ。この研究分野では、リーズン(J.Reason)のいう「スイスチーズモデル」という考え方がよく知られている。

  • 語り継がれず消えてしまう、もうひとつの東京

    2025.04.30

    ホームレスの世界の歴史は貧困と排除の「もうひとつの東京史」であるが、デジタルにはなっておらず、いや紙にすらなっておらず、人々の記憶の中にだけあり、おそらく当事者が亡くなってしまうと消えてしまうナラティブであろう。デジタルトランスフォーメーションの及ばない、外部世界という意味でも興味深いのではないか。

  • オンラインショッピングは、近代の豊かな消費生活を壊すものだといえるのか

    2025.04.28

    日本における近代消費社会の勃興を考える上で無視できないのがデパート(百貨店)である。三越や白木屋、高島屋、大丸など、今日の大手デパートの多くは、江戸時代に呉服店として創業した。これら老舗呉服店は、1900年代から1910年代にかけて経営方針を大幅に変更し、欧米のデパートに倣って、呉服のみならず輸入品も含めた多種多様の商品を取り扱うようになった。後に店名から呉服店という称号も外し、名実ともに「デパート」として生まれ変わったのである。

  • 自己耽溺から解放される方法としての創作

    2025.04.25

    ※当記事はModern Times 2022年7月に公開された記事の再掲載です。 美しいものは正しく優れた価値を持つという前提 宮崎駿のアニメ作品をフェミニズムの視点から批判することはたやすい。彼の作品の主人公の多くは、 […]

  • あいまいの政治学

    2025.04.23

    我々の社会はあそび、緩衝材、あるいは曖昧な媒介項で緩くつながっている、こう考えると、現在様々な分野で行われている多くの議論を見直すきっかけになるかもしれない。ひたすら無駄をなくし、曖昧さを消去することは、へたをするとこうした自由度を排除することにつながりかねないのだ。