資本主義社会では必然的に貧富格差は拡大する——トマ・ピケティは「21世紀の資本」でそのように主張し、是正策として全世界的な資本に対する累進課税を主張した。多数の国家が強調して資本に対して課税する——非常に困難であることは明白だが、ピケティは「それ以外の方法はない」とする。では、既存の税制の中で貧富格差の拡大を防ぐことはできないのだろうか。
2017.07.10
4部で構成されるトマ・ピケティ「21世紀の資本」は、最後の第IV部「21世紀の資本規制」で、貧富格差を社会的に是正する方法について検討している。彼の主張は簡潔だ。 すでに述べた通り、果てしない格差スパイラルを避け、蓄積の […]
2017.06.26
貧富の格差を放置して良いと思う人はいないだろう。だが、なぜ放置してはいけないのだろうか。 答えは、「貧富格差が拡大すると、社会が荒廃し、さらには経済が回らなくなるから」だ。 富める者と貧しき者の間の格差が大きくなると、2 […]
2017.06.19
貧富の格差について語るには、経済学者トマ・ピケティの記念碑的な大著「21世紀の資本」(2013年、邦訳は、山形浩生・守屋桜・森本正史訳、2014年みすず書房)を避けて通ることはできない。この本でピケティは、数値的なデータ […]
2017.06.12
前回、現在世界で起きていることを8個の項目をまとめた。今回は9番目と10番目として、これから起きるであろうことを追加しよう。 1)技術革新が情報と物流を効率化する。 2)その結果、経済のグロー […]
2017.06.05
ここまでの考察を、今風というかネット風にまとめてみよう。 1) 技術革新が情報と物流を効率化する。 2) その結果、経済のグローバリゼーションが急速に進行する 3) 結果、国内国外、域内域外を問わず貧富の格差が拡大する […]
2017.05.29
技術革新がグローバリズムによる高速の経済運動を引き起こし、その結果が「風が吹けば桶屋が儲かる」のように連鎖して、ポピュリズムの台頭を招くーーポピュリズムに賢く危機を乗り切る知恵はない。新たな状況に直面して恐怖に身がすくん […]
2017.05.22
グローバリズム、あるいはグローバリゼーションという言葉は、「世界を一つの共同体と見なすこと」「一つの共同体化すること」という意味を持つ。一つの共同体とは、ひとつの政治権力、ひとつの通貨、一つの経済圏といったことであろう。 […]
2017.05.15
自動車を運転する時、我々は進行方向の視覚情報や、エンジン音やロードノイズ、車体の振動などから多くの情報を得て、はじめて安全を確保している。それに対して自動運転車は、搭載コンピューターが運転に必要な情報を把握していればいいので、搭乗者に外界の状況を伝える必要がない。
2017.04.26
前回、「情報の流通が、社会制度を規定する」という話を書いた。あるいはピンと来なかったかも知れない。が、「人とモノの流れに関する技術が、社会制度を規定する」というと、多くの人は割と素直に「そうだろう」と思うのではなかろうか […]
2017.04.24