WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

  • オルタナティブとしてのシェアリング論

    2023.09.14

    以前、コンゴ盆地の森に暮らすバカ・ピグミーの狩猟にかかわるタブーから、その背景にあるバカたちの「世界」の成り立ちについて考察した。今回は、そのタブーがあることによって、狩猟の成果、つまり肉が、バカたちの間でどのように分配されているのかを紹介し、その分配のされ方の特徴について「平等社会」との関連において考察してみたい。

  • 中国が覇権国家になるとしたら

    2023.09.07

    ここでいう覇権国家とは、経済のプラットフォームの提供国をいう。そして覇権国家は、特にイギリスで見られたように、「自動的」に手数料収入により利益を入手することができる。これが、イギリスを典型例とするコミッション・キャピタリズムの実態である。

  • AIが躍進させる地球観測領域。ただし必要なのは、ますます多くの観測データである

    2023.09.05

    簡単な見積もりをしてみよう。地球の表面積はおよそ5億1,000万平方km、うち陸地が1億5,000万平方kmで、海洋が3億6,000万平方km。このうちの陸地を地球観測衛星で観測するとする。分解能としては、現在の民間地球観測衛星の上限である25cmを仮定しよう。パンクロマチックの画像を得るとして、1ピクセルに16ビットのデータ量を割り当てるとする。白をゼロ、真っ黒を65535としてグレーの階調を記録するという意味だ。

  • 美少女以外のヒロインは可能か? 宮崎駿の答えを読み解く

    2023.08.29

    映画「ハウルの動く城」(2004)で、宮崎駿は「美少女以外のヒロインは可能か?」という問題に正面から取り組んだ。この作品では、ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台に、国家の戦争に駆り出される魔法使いたちの物語が描かれる。

  • 自然知能を社会実装する:チューリングの功罪から、意思決定する物理「綱引き原理」へ

    2023.08.19

    自然界に存在する生物や物質には、意図的な回路のような構造を持たなくても、適切な入力と出力があることにより、社会的な価値をもたらす情報処理や機能変換などの、知的機能を発現する可能性があります。その研究対象は、かつては粘菌アメーバだったり、最近ではオルガノイドだったりします。要は、計算式や論理回路では到底解けそうもない問題を、自然が持つ現象で解いてみよう、という試みです。