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科学・技術・芸術の社会実装Social Implement of STEAM

ロシアの侵攻で脱炭素は進む。欧州に働くもうひとつのロジック

これまで、脱炭素の真の定義等について説明してきたが、実は私はエネルギーアナリストであり、脱炭素の専門家ではない。エネルギー供給(石油や天然ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギーなど)の調査や、使う側(自動車や空調システム等)の研究を通して、エネルギーの循環を俯瞰して見てきた立場である。

2023.02.09

すっからかんで美しい零戦を作った私たちの倫理

宮崎駿がミリタリーオタクであることは周知の事実だろう。彼の描く戦闘機は写実的ではなく、フリーハンドで描かれた外観は丸みを帯びて可愛らしく、それ自体が生命を持つ生き物のようにいきいきとしている。

2023.02.08

郷土史とは、科学的な検証に耐えられない物も含めそこに生きる人たちのアイデンティティである

私は静岡大学で、主に日本の江戸時代から明治初期にかけてのメディア状況と事実表現について研究してきた。授業では所謂江戸戯作を中心に、「近世文学」を材料にすることが多い。

2023.02.07

安全保障市場と地球観測の技術

ハッブルは、米航空宇宙局(NASA)の、「赤外線からガンマ線に至る、広い波長域の光で宇宙を観測する巨大宇宙望遠鏡群を宇宙に打ちあげ、運用する」という「グレート・オブザバトリー」計画の一環として、可視光領域での観測を担当する宇宙望遠鏡として開発された。

2023.02.06

彼女たちはなぜ大工になったのか 女性職人とのダイアローグ

国は、複数の大工技能者関係機関が連携して実施する大工技能者の技能向上のための研修活動や大工技能者が能力・経験に応じた処遇を受けられる環境整備の取組等に対する支援を実施している。そして年に1度、その支援を受けた全国各地の大工技能者関係機関等が一堂に会して成果発表を行う機会がある。

2023.02.03

現代の「キャリバン」たちへ

2019年に逝去した作家の橋本治は共著も含めると200を超える著書を残した。だがその多くは現在、絶版あるいは入手困難である。本連載は、そうした橋本の旧著を再読し、その思想をあらためて描き出そうとするものである。

2023.02.02

「山川学校」で学んだこと。田中角栄と宮澤喜一、二つの対米観

今回は米国の対日戦略について振り返りながら、僕がジャーナリストとしてとても大きな影響を受けた人たちのことを語ってみたい。

2023.02.01

分析のいきつくところ

誰もが聞いたことのある「裸の王様」の話。いかさま機織り師が大金をせしめて拵えた不思議な布地で織った服。王様も家臣も見えないものだから気が気でない。でも「馬鹿の目には見えない」などと言われているので、うっかり口に出すことも憚られる。

2023.01.31

予防できない認知症。自分を疎外するのは、老いや死を受け入れない態度である

筆者は高齢化する団地で集いの場を作り、医師による健康相談を行っている(いわゆる医療アンメットニーズを探索するという研究の一環である)。相談内容は、膝痛、腰痛、尿もれ、若いころのように元気に過ごせない、といったものが多い。

2023.01.30

観測衛星が映す、世界の思惑と技術の発展

アメリカは1980年代、地球観測衛星「ランドサット」シリーズの商業化にあたって「ランドサット4/5」から新たに搭載されたセンサー「画像用放射計(Thematic Mapper、TM)」の解像度30mに合わせ、「商業販売できる地球観測データの解像度は30mまで」という政策を打ち出した。

2023.01.27

建築と都市の危うい基層 ものづくり人はどこへ行ったのか

モダニズム建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969年)。建築界では世界中「ミース」で通じる。20世紀後半の世界の建築と都市は、多かれ少なかれミースの提唱・実践した「ユニバーサル・スペース(均質空間と訳されることがある)」に影響を受けている。

2023.01.26

国家なき民たちによるイノベーション

18世紀後半のイギリスで発生した産業革命が、世界史を大きく変えた出来事であったことは間違いない。その産業革命に関する一般的な見方は、現在もなお、イングランド北西部のマンチェスターで綿織物産業が急激に発展したというものであろう。

2023.01.25