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  • 「きわめて有益であるばかりか人間の統治にも必要欠くべからざるもの」だった中世ヨーロッパの商業

    2023.03.17

    19世紀末から第一次世界大戦にかけてのヨーロッパ、とくにイギリスが世界中に植民地をもち、世界を支配したことは言うまでもない。欧米の歴史学界においては、ヨーロッパの世界支配においては、軍事力の重要性が強調されることが多い。たしかに、それは間違いのない事実である。だがそれとともに、ヨーロッパは、自分たちの商業システムを世界中に採用させたために、世界が「ヨーロッパ化」したことも重要な事実である。

  • 脱ロシアで進む脱炭素。変わる世界のパワーバランス

    2023.03.15

    ロシア産の化石燃料からの脱却を目指す「リパワーEU」のために、EUがどのようにエネルギーの消費量を抑えるかというと、基本路線は省エネのようだ。ドキュメントに詳細が書かれているわけではないが、「エアコンの室温設定を1度下げる」といったような努力がなされるようである。他にも、高速道路に速度制限をかけるという議論も出ている。

  • 気象予報士の頭の中には何が入っているのか

    2023.03.13

    気象予報士試験は、毎年8月下旬と1月下旬に行われる国家試験だ。受験資格に制限はなく、ときには中学生が合格してニュースになったりもする。しかし、合格率は約5%と低く、難関資格として知られている。試験の科目は、「学科一般」「学科専門」「実技」の3科目あり、それらを1日で受験する。学科試験(学科一般と学科専門)はマークシート式で、実技試験は記述式だ。

  • 異なる時間を生きた私たち

    2023.03.10

    進化医学の視点から考えても、人類は誕生以来ほとんどの時間を狩猟採集によって生活してきた。人類史の視点から考えて見れば、農耕時代以降の時間の流れが身体に馴染んでいるとは考えにくく、おそらく本来の身体のリズムからは離れたところで生活しているはずだ。

  • あいまいの政治学

    2023.03.08

    国内で旅行する際よくレンタカーを利用するが、タイプを限定しないので、いつも使っている車とは違う、様々な会社の車に乗るはめになる。ハンドルの手応え、特にその「あそび」が車種によって微妙に違う。

  • 自然とともに美しさを追求する左官という職業

    2023.03.06

    日本の建築・都市の文化的な基層である「ものづくり人」の世界が急激にすり減ってきている。ものづくり自体は面白くて好きだという人が少なくないはずなのだから、もっと色々な人が気楽に出入りできる世界になれば、日本の建築・都市の文化的な基層は未来に繋げられるその厚みを保ち続けられるだろう。

  • 知ることは、領ることである

    2023.02.27

    パンドラの匣(はこ)は、開けてはいけないもの、の代表格だ。詩人ヘシオドスの伝える神話では、パンドラはプロメテウスの弟エピメテウスに贈り物として与えられた女性。その時の持参品がピトス pithos と呼ばれるもので、本来ならば甕(かめ)だけれど、匣になったのは、人文学者エラスムスがラテン語に訳した時にピュクシス pyxis(箱)とした為らしい。