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米テクノロジー大手を標的に - 「ネットトラフィック税」導入案、ITUの議題に

2012.06.11

Updated by WirelessWire News編集部 on June 11, 2012, 11:52 am JST

スマートフォンの普及に伴うデータトラフィック増加に対応するための負担増大に直面する各国の携帯通信事業者の間で、グーグルやフェイスブック、アップル、ネットフリックスなど、米国の大手コンテンツプロバイダー各社をターゲットにした「ネットトラフィック課税」導入を求める動きが進んでいるという。

米国時間8日に明らかになったこの案は、各国の大手携帯通信事業者が後押しするロビー団体、欧州電気通信ネットワーク事業者協会(European Telecommunications Network Operators Association:以下、ETNO)が国際電気通信連合(International Telecommunication Union)に提出したもので、今年12月にドバイで開催予定のITUの会合で議題に上がる予定だという。

ITUのこの会合では、過去25年間大幅な改訂をほぼ受けずにきた
「国際電気通信規則」(International Telecommunications Regulations)の見直しが見込まれるが、ENTOではこの修正のなかに提案内容を盛り込ませたい考えとされる。

スマートフォン普及の恩恵を主に蒙っているとされる米国の大手各社に、対応コストの一部負担を求める声は以前から上がってきており、実際に欧州の大手携帯通信事業者ーー英ボーダフォン(Vodafone)、フランステレコム(France Telecom)、テレコムイタリア(Telecom Italia)などの各社がこうした考えを明らかにしていた。

いっぽう、コンテンツプロバイダへの課金が実施されると、発展途上国などへサービスを提供できなくなると懸念する声もあり、また新たにサービスを提供しようとするベンチャー企業などへの負担が重くなる結果、イノベーションの停滞につながるという反対論もある。

いわゆる「ネットの産みの親」のひとりとされ、現在はグーグルに籍を置くヴィント・サーフ(Vinton Cerf)氏は5月末に、米下院のエネルギー・商業委員会(U.S. House of Representatives Energy and Commerce Committee)で、こうした動きに言及。ITU(国際連合の下部組織)によるネットの規制は、オープンなインターネットを脅かすと述べていたという。

インターネットに関するルールづくりなどはこれまでICANNで行われてきているが、同組織には米政府の影響力が強く働いているとする批判の声もあり、過去にはロシアなどの各国がITU(=国連)を通じてICANNから主導権を奪おうとしたこともあった。

今回のENTOによる提案の背景には、米国のテクノロジー大手と欧州勢をはじめとする通信事業者との駆け引きと同時に、ネット支配の主導権をめぐるICANN対ITUの争いもあるとみられている。

【参照情報】
U.N. could tax U.S.-based Web sites, leaked docs show - CNET
Is the U.N. Trying to Tax the Internet? - Forbes
Europe Wants to Tax Internet Giants for Bandwidth Use - Gizmodo
EU carriers: We're not asking the UN for Internet taxes - Computerworld
US Tech Leaders Fear Proposed Internet Regulations, Taxes At ITU Meeting - CIO.com

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