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[2012年第41週]ソフトバンクが世界へ? 冬モデルでスマホは高速に!

2012.10.15

Updated by Naohisa Iwamoto on October 15, 2012, 11:00 am UTC

この週は、ソフトバンクモバイルとNTTドコモの2012冬モデルなどの発表があり、それだけでも大きく盛り上がったはずだった。ところが週の終わりに近づいて、ソフトバンクが米大手携帯通信会社のスプリント・ネクステル(Sprint Nextel: 以下、スプリント)の買収を検討しているとの報道が飛び込んできた。イー・アクセスの買収に続く買収劇はどう進むのか。

両社とも交渉を認める、メリットはどこに?

少し時系列で公式なアナウンスを整理しておく。ソフトバンクがスプリントの買収を検討しているとの報道を受け、スプリントは米国時間11日、同社の経営に影響を及ぼし得る「かなりの額の投資の可能性」についてソフトバンクと交渉を行ったことを認めた。ただし同社は、この買収の実現可能性について、その時点では保証はないとしている(関連記事:スプリント、ソフトバンクとの「交渉の事実」認める - 米携帯通信市場の再編加速も)。

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ソフトバンクは、日本時間の11日付けでスプリントの買収交渉の報道について、「憶測に基づいた」報道であり「コメントはありません」と発表した。しかし、翌12日には「昨日より、弊社がスプリント・ネクステルへの出資を検討しているという報道がなされています。協議をしていることは事実ですが、現時点で決定した事実はありません。」とするプレスリリースを公開し、事実上両社とも交渉していることを認めた(報道発表資料:報道について)。

ソフトバンクのスプリント買収については、海外でも複数の媒体がこの買収に関する両社の意図や今後の展開に関する予想などを記した記事を掲載している。例えば業界サイトのFierceWirelessでは、両社の交渉の意図について、スプリントにとっては潤沢な資金と安定した財務基盤を手に入れること、いっぽうソフトバンクにとっては同社が保有する2.5GHz帯を利用したTD-LTE方式のネットワークのエコシステムを拡大することではないかと予想している(関連記事:ソフトバンク、米携帯通信業界再編の引き金となるか - 第一の焦点はクリアワイヤ)。

実現の可否、そして実現した後のソフトバンクのグローバルマーケットでの舵取りはどうなるのか。対アップルへの発言力は、思うように強化できるのか。そして、グローバルで生き残るために日本の通信事業者が歩むべき道が見えてくるのか。目が離せない状況になってきた。

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冬モデルのスマホは超高速通信対応

ソフトバンクモバイルは、スプリントの買収が話題になる前の10月9日に2012年-2013年の冬春商戦向けの新製品を発表している。新製品は全部で11機種。SoftBankスマートフォンが6機種と、フィーチャーフォンが2機種、デジタルフォトフレーム1機種、MVNOのディズニー・モバイル・オン・ソフトバンクのスマートフォンが2機種である。冬モデルでは、SoftBankスマートフォンの全6機種に、下り最大76Mbpsの「SoftBank 4G」を対応させた。世界標準のTD-LTEとの完全互換をアピールする。理論的な最大通信速度は110Mbpsだが、冬モデルのスマートフォンでは76Mbpsまでの対応となる。iPhone 5が利用するLTEサービスの「SoftBank 4G LTE」と、Androidスマートフォンが利用するネットワークを分けることで、テザリングを含めたトラフィックの増加に対応する(関連記事:ソフトバンクの冬モデル発表、スマホ6機種は76MbpsのSoftBank 4Gに対応)。

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一方、NTTドコモもソフトバンクモバイルの2日後の10月11日、2012冬モデルの新製品と新サービスなどを発表した。新製品はスマートフォン・タブレット10機種など合計16機種。ラインアップは、スマートフォン・タブレットが10機種、夏モデルにはなかったiモード携帯も4機種、デジタルフォトフレームとモバイルルーターがそれぞれ1機種。スマートフォン・タブレット全機種が下り最大100Mbpsに高速化した「Xi」に対応するほか、テザリングも追加料金なしで使える。クアッドコアCPUの搭載やバッテリーの大容量化も進め、他社に先駆けてLTEサービスのXiを提供して約2年で得たノウハウを、製品創りにも生かしていることをアピールする(関連記事:ドコモ、最大100MbpsのXiに全機種対応したスマホ10機種など2012冬モデルを発表)。

冬モデルの発表ではないが、ソフトバンクモバイルは下り最大110Mbpsと国内最高スペックを誇るモバイルルーターの発売をアナウンスしている。「SoftBank 4G」のフルスペックである下り最大110Mbpsに対応した初のモバイルルーター「ULTRA WiFi 4G 102HW」で、10月19日に発売する。2012年夏モデルの1機種だったファーウェイ製のモバイルルーターがようやく市場にお目見えすることになった。同時に、SoftBank 4G向けの料金プランを月額4410円で使えるキャンペーンの実施も発表した(関連記事:110MbpsのSoftBank 4G対応ルーター発売、月額4410円のキャンペーンも実施)。

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Xiを安く、海外でNFC決済

このほか、第41週のトピックスをチェックしておこう。NTTドコモはXiの普及を目的とした割引キャンペーン「Xiスマホ割」を実施する。Xi対応スマートフォンを購入し、「タイプXi にねん」など指定した料金プランと割引サービスを契約したユーザーに対して、基本使用料に相当する月額780円を1年間割引する。さらに、10月1日から展開している「ありがとう10年 Xiスマホ割 」と併用すると、ドコモの継続利用期間 が10年以上のユーザーは割引が2年に延長される(関連記事:「Xiスマホ割」を実施)。

また、NTTドコモはMasterCard Worldwide(以下MasterCard)との間で、モバイル決済サービスの実現に向けた業務提携に合意したことをアナウンスしている。2013年度上半期のサービス開始を目指す。利用できるようになるのは、MasterCardが世界各国で展開する非接触ICチップを利用した決済手段の「MasterCard PayPass」。ドコモのNFC(FeliCa+TypeA/B)対応おサイフケータイがあれば、世界41カ国の約50万カ所の「PayPass」加盟店で、「iD」によるクレジット決済が可能になる(関連記事:NTTドコモとMasterCardが世界41カ国でのNFC決済サービス提供に向けた業務提携に合意)。

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該当する人にはうれしいサービス。KDDIは、au携帯電話向けに「一時休止(情報保管)」サービスを提供する。通話・通信を停止しながら、電話番号とEメールアドレス(@ezweb.ne.jp)を最長5年間保管できるようになる。長期間にわたり海外渡航するユーザーの利便性を向上させることを目的としており、渡航期間中は国内における携帯電話の通話・通信を停止しておき、帰国後には保管しておいた電話番号とメールアドレスの利用をスムーズに再開できる(関連記事:KDDI、長期の海外渡航で使わない期間も携帯番号とメアドを保管可能に)。

最後に電波行政の話題。総務省は、年度ごとに公表・改定している「周波数再編アクションプラン」の見直しを行った。今回は、平成23年度(2011年度)の電波の利用状況調査(770MHz以下の周波数帯を対象)の評価結果(平成24年7月)、意見募集の結果などを踏まえて、前回の「周波数再編アクションプラン(平成23年9月改定版)」を見直した(関連記事:「周波数再編アクションプラン(平成24年10月改定版)」の公表)。

昨年の第41週のできごと

・iPhone対応などで相次ぐKDDIの施策
・販売面でもスマートフォン躍進
・イー・アクセス、ソニエリの最小スマホ

[2011年第41週]ついにiPhone 4S発売、ソニエリの最小最軽量スマホ登場

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。