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[2012年第43週]ドコモとKDDIの2Q決算はいずれも減益、iPad miniとKindleが国内発売へ

2012.10.29

Updated by Naohisa Iwamoto on October 29, 2012, 12:00 pm JST

NTTドコモとKDDIの2012年度第2四半期の決算発表が相次いで行われた。上期の通期で見るとドコモは増収ながら減益、KDDIは減収減益という厳しい決算になった。iPad miniと第4世代のiPadが発表されたのもこの週のトピック。国内ではKDDIとソフトバンクモバイルがいずれも製品を取り扱うことを発表、iPhoneに続いて2キャリアによる併売体制が整うことになった。

ドコモ増収増益、KDDI減収減益の2Q決算

まず決算から見ていこう。いずれも減益決算だが、通期でも営業利益の予想を下方修正したドコモに対して、KDDIは減益の理由となっている端末移行コスト負担が終わったことから3Q以降の業績回復を示唆している。

NTTドコモの決算発表では、2012年4月〜9月の上期の営業収益が2兆2073億円と前年同期比4.5%の増収だったに対して、営業利益は4711億円と同7.4%の減益となったことが明らかになった。総販売数は1184万台で前年同期比14.4%増、その中でも特にスマートフォン販売数は644万台と同77.6%にも上り、端末販売の好調さをアピール。通期のスマートフォン販売数も1300万台の当初計画から1400万台へと上方修正したことを明らかにした。Xiの契約数は620万に達し、前期末比で178.6%と急速な普及を示している。パケット収入も前年同期比で7.6%増の9756億円と順調な伸びだ。しかし、端末機器原価や代理店手数料といった端末販売費用の増加などの営業費用増が影響し、上期は減益の決算になった。これに伴い、通期の予想も営業利益が9000億円から8200億円へと下方修正され、前期比6.2%の減益を予想している(発表資料:NTTドコモ 2012年度 第2四半期決算)。

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KDDIも、2012年4月〜9月の上期では営業収益が1兆7406億円で前年同期比0.2%の減収、営業利益が2312億円で同13.3%の減益となった。上期の大幅な減益の最大の要因は、800MHz帯の周波数再編に伴う端末移行コストの負担だという。第1四半期に140億円、第2四半期に40億円規模の追加コストが発生している。このため、第2四半期だけを見れば、営業収益が前年同期比0.1%の増加、営業収益が同8.2%の増加と増収増益に転じている。第3四半期以降は端末移行コストがなくなることから、一層の業績改善が見込めるとしている(発表資料:KDDI 2013年3月期第2四半期決算)。

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iPad miniとKindleが国内発売で火花を散らす?

10月24日、KDDIとソフトバンクモバイルはiPad miniと第4世代iPadを近日中に発売することを発表した。各社のLTEサービスに対応する。iPad miniは7.9インチディスプレイ、デュアルコアA5チップ搭載。第3世代のiPadと比べて23%薄く、53%軽い。カラーはブラック&スレートとホワイト&シルバー。第4世代iPadは9.7インチRetinaディスプレイ搭載、A6Xチップ搭載、FaceTime HDカメラなどを搭載しており、デュアルバンド802.11n Wi-Fiとチャネルボンディングに対応している。カラーはブラックとホワイトとなっている(関連記事:KDDIとソフトバンク、iPad miniと第4世代iPadの取り扱いを発表)。

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iPad miniは、Wi-Fiモデルが2万8800円(16GB)、3万6800円(32GB)、4万4800円(64GB)で11月2日に発売。その後、11月下旬にWi-Fi+Cellularモデルが、3万9800円(16GB)、4万7800円(32GB)、5万5800円(64GB)で発売される。

同じく10月24日、アマゾンは日本向けサイトでKindle最新モデルの予約受付を開始した。販売するのはKindle Fire HD、Kindle Fire、Kindle Paperwhite、Kindle Paperwhite 3Gの4種類。価格は、Kindle Fire HDの16GBモデルが1万5800円、32GBモデルが1万9800円、Kindle Fire(8GB)が1万2800円。またKindle Paperwhiteは8480円、Kindle Paperwhite 3Gは1万2980円の戦略的な価格で提供する。端末の発売に先駆け、10月25日からKindleストアもオープン。取り扱いタイトルは当初から5万冊を超える(青空文庫を含む)とのことだ(関連記事:アマゾン、日本向けKindleシリーズの予約受付を開始)。

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すでに1万9800円で販売されているグーグルのNexus 7(16GB)などとともに、国内でも7インチクラスの小型タブレットが一気に品ぞろえされることになる。10インチクラスとは異なる利用法が望める小型タブレットが低価格で提供されることで、普及に火がつく可能性が高まってきた。

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スマホでWi-Fi利用者は4分の1、ドコモ基地局に燃料電池採用

この他にもワイヤレスに関連するニュースが多くあった。まず着目しておきたい調査結果がこれ。ICT総研が発表した公衆無線LANサービス利用者予測調査の結果だ。公衆無線LANサービスの2012年度末の利用者は前年比1.6倍の1274万人に上る。一方で、スマートフォンのデータオフロード(参考情報)の役割はまだ十分に果たしていない実情が明らかになったのだ。公衆無線LANサービスの利用者は、今回の調査でもスマートフォン利用者に多く、スマートフォン非利用者に少ない傾向が見られた。しかし、スマートフォン利用者であっても公衆無線LANサービスの利用は25%弱にとどまった。スマートフォン利用者の75%超は、携帯電話事業者が狙ったようなデータオフロードの回線として公衆無線LANサービスを利用していないということだ(関連記事:急増中の公衆Wi-Fi利用者、しかしスマホ利用者の75%は非使用--ICT総研調べ)。

災害時などの基地局の電源供給に一石を投じる。NTTドコモは、長期停電対策として基地局の非常用電源に燃料電池を導入する。2013年3月から関東甲信越の一部基地局に先行導入を開始、2013年4月以降に他地域の導入を進める予定である。また、遠隔操作で基地局の消費電力を抑制できる仕組みも取り入れた。こちらはすでに7月に全国の対象基地局に導入を完了しており、この夏の豪雨や台風で実運用しているという(関連記事:NTTドコモ、燃料電池導入など基地局の停電対策に新施策)。

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新しいサービス創造への取り組みもある。NTTドコモは、スマートフォンの新サービスの創造に向けて、ベンチャー企業との連携を強化する取り組みを開始すると発表した。最初の取り組みは、起業支援プログラムの「ドコモ・イノベーションビレッジ」の開始と、ベンチャー企業への出資を行う「ドコモ・イノベーションファンド」の設立の2つである(関連記事:NTTドコモ、起業支援策や基金設立などでベンチャー連携を強化)。

新しいサービスと言えば、ディー・エヌ・エー(DeNA)が発表した無料通話サービス「comm」も目に止まった。同社はサービス提供と「comm」を利用するためのアプリの配信を開始している。commは、実名登録制のスマートフォン向け無料通話で、IDやニックネームを知らなくても、連絡したい相手の検索が実名で可能になる。日本、欧米、アジアなど204の国や地域でアプリの配信を始める(関連記事:DeNA、実名利用の無料通話サービス「comm」を提供)。

こちらもスマートフォン向けの新しいサービス。ソニーモバイルコミュニケーションズは、同社のスマートフォン「Xperia」シリーズで利用できるライブ壁紙自動生成アプリの提供を開始した。撮影した数秒間の動画があれば、自然に繰り返し再生する動画のライブ壁紙ができ上がる。アプリは「Xperia Motion Snap」の名称で、Google Playからダウンロードできる(関連記事:ソニーモバイル、短い動画からライブ壁紙を作れるXperia用アプリ)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。