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KDDI、2013年夏モデルは「使いこなすスマホ」をテーマに厳選4機種

2013.05.20

Updated by Naohisa Iwamoto on May 20, 2013, 20:34 pm JST

KDDIは2013年5月20日、2013年夏モデルの新製品と、同社が推進する3M戦略(マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイス)を推進する新サービスを発表した。新製品の4機種はすべてスマートフォン。新製品の数のアピールではなく、サービスとの連携でスマートフォンを「使いこなす」世界を提案する。

発表会に登壇したKDDIの田中孝司社長は「日本のスマホの普及率が5割を超えると見られる2013年のウォンツとは何かを考えたとき、"スマホが欲しい"から"スマホで何かがやりたい"に移り変わっていく。スマホが生活とつながっていく可能性をサービス化して、現実にしていきたい。KDDIは、スマホを使いこなすキャリアーになる」と宣言した。

▼4象限のグラフで新製品のポジションを説明するKDDIの田中孝司社長20130520_kddi001.jpg

「使いこなすスマホ」時代の新製品として、KDDIは「グローバルブランドと日本ブランド」の軸と、「定番とauオリジナル」の軸からなる4象限のマトリックスを作り、そこに4つの新製品を当てはめた。グローバルブランド×auオリジナルの「HTC J One HTL22」、グローバルブランド×定番の「Xperia UL SOL22」、日本ブランド×定番の「AQUOS PHONE SERIE SHL22」、日本ブランド×auオリジナルの「URBANO L01」の4機種である。いずれも下り最大100Mbpsのau 4G LTEに対応する。

指向性が異なる4機種を投入

●HTC J One HTL22(HTC製)
アルミのフルメタルボディーには、フロントにステレオスピーカーを搭載し迫力のサウンドを楽しめる。カメラは400万画素ながら従来比で約3倍明るい大型センサー「HTC UltraPixel」を搭載し、薄暗い場所でも自然に撮影できる。さらにシャッターを押す1秒前から3秒後までの20枚の写真と、シャッターを押した後の3秒間の動画を同時に撮影する新カメラ機能「HTC Zoe」も搭載。4.7インチのフルHD液晶で高精細な写真や動画を楽しめる。SNSやニュースなど最新の更新情報を表示できるホーム画面「HTC BlinkFeed」も採用する。CPUは1.7GHzクアッドコア、OSはAndroid 4.1、バッテリーは2300mAhをそれぞれ搭載する。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信の各機能に対応する。

●Xperia UL SOL22(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)
5インチのフルHD液晶、1310万画素の積層型CMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載したXperiaシリーズのフラッグシップモデル。背面がラウンドしたフォルムのauオリジナルデザインを採用し、大画面と持ちやすさを両立させた。カメラは、秒間15枚で無制限に撮影できる連写機能や、HDR(ハイダイナミックレンジ)ビデオの撮影機能を備える。画質を最適に調整する「モバイルブラビアエンジン2」や、複雑な設定をすることなくクリアで臨場感のある音を楽しめる「WALKMAN」アプリも搭載し、エンターテインメント性を高めた。CPUは1.5GHzクアッドコア、OSはAndroid 4.1、バッテリーは2300mAhをそれぞれ搭載する。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信、防水・防塵の各機能に対応する。

●AQUOS PHONE SERIE SHL22(シャープ製)
auスマートフォンで初めて4.9インチのIGZO液晶(HD)を搭載した。静止画表示中はCPUの表示動作を抑えることができ、省電力性能を高められる。バッテリーは3080mAhの大容量タイプで、IGZO液晶の省電力効果などと合わせて3日間の実利用が可能。カメラは1310万画素、明るいF1.9のレンズを搭載したほか、約0.4秒の高速起動でシャッターチャンスを逃さない。操作面では、画面をなぞると画面がONになる「Sweep ON」、振ると画面をOFFにできる「Shake OFF」などの新機能で使いやすさを高めた。CPUは1.7GHzクアッドコア、OSはAndroid 4.2。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信、防水・防塵の各機能に対応する。

●URBANO L01(京セラ製)
バッテリーは2700mAhの大容量タイプを採用、「省電力ナビ」や急速充電機能と合わせて安心の電池の持ちを実現した。大人向けに「見やすさ」「聞きやすさ」「使いやすさ」を重視。4.7インチHD液晶には、文字が大きく見やすい専用のホーム画面「エントリーホーム」に簡単に切り替えられる機能を搭載。騒がしい場所でも相手の声が聞き取りやすい「スマートソニックレシーバ」も採用した。ホームキーなどをハードキーで実現するほか、やりたいことを話すだけで最適なアプリが起動する「すぐごえ」などの新機能も搭載する。カメラは1300万画素、CPUは1.5GHzデュアルコア、OSはAndroid 4.2。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信、防水・防塵、国際標準規格Qiに対応した非接触充電の各機能に対応する。

リアルの生活とつなぐ「スマートリレーションズ構想」

KDDIは、2012年1月に3M戦略の第1弾として、オープンで制約のないインターネット世界へのパスポート「スマートパスポート構想」を発表し、「auスマートバリュー」「auスマートパス」でその構想を推進してきた。2013年には、3M戦略第2弾となる「スマートリレーションズ構想」に幅を広げる。具体的な施策が「auスマートパス」のタイムラインUIと、「auスマートサポート」である。いずれもスマートフォンとリアルの世界を組み合わせたサービスだ。

▼「auスマートパス」のタイムラインUIはリアルの生活の情報をスマホにプッシュ20130520_kddi002.jpg

auスマートパスのタイムラインUIは、「毎日がSimple&Luckyに」がコンセプトの新サービスで、タイムラインで利用者の状況に応じた情報を表示する。天気、交通情報、占い、実店舗のクーポンやタイムセールなど、時間や場所に応じて情報がプッシュされる。画面の中の情報から、リアルな生活で役立つ情報を得られる。情報は5分~15分間隔で更新され、つねに最新の情報に触れることができる。コンテンツには、ぴあとの業務提携によるauスマートパス会員限定イベント招待や先行チケット予約なども含まれる。また、会員の意見を集める「auスマパス総会」を開催して、コンテンツや機能、UIなどの改善に役立てる。

auスマートサポートは、スマートフォン利用をサポートするサービス。スマートフォンは「初期設定でつまずく、使い方を聞く人がいない、使いこなせていないという人が多い。KDDIは、楽しみたいことを楽しめるまで使いこなせるようにサポートする」(田中社長)。専任のアドバイザーが使い方や初期設定を24時間電話でサポートするほか、ユーザーの自宅に直接出向いて初期設定方法や使い方を教える「スマホ訪問サポート」を提供する。スマートフォンを購入する前に操作感などを試したい場合は、15日間端末を貸し出す「スマホお試しレンタル」が利用できる。料金は加入付きを含む3カ月は3150円、4カ月目以降は月額399円となる。

▼auのイメージキャラクターの剛力彩芽さんと新CMに登場するきゃりーぱみゅぱみゅさんが登壇。「auにノリカエル」(乗り換える)をアピールするパペットも登場した20130520_kddi003.jpg

【報道発表資料】
"持つ" から "使いこなす" へ。2013年スマートフォンの新たな提案について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。