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スプリントのT-モバイル買収、6〜7月にも正式提案の見通し浮上(Bloomberg報道)

2014.05.01

Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2014, 16:13 pm JST

米携帯通信市場4位のT-モバイル(T-Mobile USA)買収を目指しているとされる同3位のスプリント(Sprint)が、同買収にかかる資金の調達に関し、先月複数の銀行と協議を行ったとする関係者の話が米国時間4月30日にBloombergで報じられた。また合併実現後の経営者選びについて、T-モバイル現CEOのジョン・レジャー(John Legere)氏が有力候補として浮上しているという。

このBloomberg記事によると、スプリントではCFOのジョー・ユートニューアー(Joe Euteneuer)氏ら財務畑の幹部が、先月6社の銀行関係者と会い、各行からの融資について確認を行ったという。Bloombergはこの6行について、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、シティグループ(Citigroup)、JPモルガン・チェイス(JPMorgan Chase)、みずほフィナンシャルグループ、バンクオブアメリカ(Bank of America)、ドイツ銀行(Deutsche Bank)の名前をあげている。

また正式な買収提案を行う時期について、6月から7月になる見通しとする関係者の話も記されている。さらに、スプリントの親会社であるソフトバンクとT-モバイルの親会社ドイツテレコム(Deutsche Telekom)との間では、合併実現後のCEOを誰にするかについての協議も進んでおり、最有力候補としてT-モバイルのジョン・レジャー(John Legere)現CEOの名前が挙がっているいう。

スプリントによるT-モバイル買収の可能性に対しては、携帯通信市場の寡占化を懸念する米連邦通信委員会(FCC)や司法省(DOJ)がいずれも消極的な姿勢を示していると伝えられていた。それに対し、ソフトバンクの孫正義CEOは、議論の枠組みを携帯通信市場から固定線も含むブロードバンド市場全体に拡げることで、市場競争の低下を懸念する反対派の声を乗り切りたい考えなどとする見方も出ていた。

Bloombergでは今回、スプリントが同社によるT-モバイルの買収を、コムキャスト(Comcast)とタイムワーナー・ケーブル(Time Warner Cable)との合併と同じ議論の俎上にのせることで、DoJやFCCなどからの反対を乗り切りたい考えなどとする関係者の話も紹介している。コムキャストとTWCとの合併計画は、現在規制当局側で審査が進行中だが、合併が実現した場合、同社の影響力が過度に大きくなるなどの懸念があるとして、これに反対する意見も根強く、たとえば2月にコムキャストと回線の相互接続(ピアリング)契約を結ばされていたネットフリックス(Netflix)は、4月半ばに両社の合併に反対する考えを公表していた。

【参照情報】
Sprint Said to Plan T-Mobile Bid After Pushing for Funding - Bloomberg
Sprint will reportedly try to buy T-Mobile US in June or July - The Verge
Sprint Is Going To Try And Buy T-Mobile And Find A New CEO - Business Insider
T-Mobile's maverick CEO John Legere could be in line for a big promotion - QUARTZ
Netflix opposes Comcast-TWC merger over 'anticompetitive' concerns - The Verge

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