SecondMicは多分、2つ目のマイクロフォンという意味のベンチャー(ニューヨーク市)で、2013年創業。テレビでスポーツを観戦しながら使うiPhoneアプリを作っている。
テレビ中継では副音声を楽しむことができるが、SecondMicは有名人、引退した選手、コーチ、コアなファンなどがリアルタイムで語っているのをテレビの画面に合わせて楽しむアプリだ。ソーシャル・メディアでもあるので、視聴者同士がメッセージを交換することもできる。
アプリは無料で、広告やスポンサーシップ収入に依存する事業モデル。スポーツ中継に限らず、アカデミー賞やグラミー賞の発表など、イベントのテレビ中継があって喋ってくれる人がいれば成り立つし、全米ネットワークでなくても一定の視聴者数がいれば成り立つだろう。アーカイブして、かつコメントとシーンを同期する機能を提供してくれているので、生放送でなくても楽しめるはずだ。
今日の解説はこの人かとがっかりしたことがある人や、知識の浅いアナウンサーの中継やタレントの的外れなコメントに嫌気がさしている人にはぴったりだが、日本語サービスはまだない。だが、Skypeが年内には機械同時通訳を提供すると発表するなど、スマートフォンのアプリにも自動通訳機能は実装されつつある。来年以降の大きなスポーツイベントでは、日本の視聴者も残念な実況中継から解放されるのも夢ではないかもしれない。
ボストンのCheggin社の同名アプリ(iOS、Android)は専門家のコメントではなく、ファンや友達同士が離れた場所──それぞれの自宅のリビングなど──でスポーツ中継を見ながらメッセージを交換しあうためのアプリ。利用者は中継のある試合を選んでチェックインする。
ツイッターなど既存のソーシャル・メディアを使ってスポーツ中継を離れた場所で一緒に楽しんでいる人はすでに大勢いるが、スポーツ用にデザインされていないから、この用途のためには使いづらい。それが開発の理由だそうだ。映画やニュースに比べると、スポーツはたしかにファンが一緒の方が盛り上がれるだろう。コンサートやライブではファン同士でチャットする暇はないが、スポーツにはメリハリがあるから、感情を文字で表現する時間も、ほかのファンの気持ちを読む時間もあるだろう。
どちらのアプリも、ワールドカップを飛躍のチャンスと見ているようだ。
【参照情報】
・SecondMicのウェブサイト
・Chegginのウェブサイト
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