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魚を嗅ぎ分けるセンサー

2015.03.19

Updated by Kenji Nobukuni on March 19, 2015, 12:00 pm JST

USF Researchers Develop Handheld Sensor to Sniff out Fish Fraud
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多くの人は本物のシシャモを食べたことがないとか、回転寿司などのネタや、市販の弁当などの白身魚のフライの正体が意外にグロテスクな魚だったりして話題になることがあるが、魚は種類が多い上に、切り身で売られていたりすれば素人には見分けがつかない。アメリカで売られている魚の3割はラベルが間違っているというレポートもあるようだ。

南フロリダ大学海洋科学校が開発したハンドヘルド機器、QuadPyre RT-NASBAは、かねて開発済みの据え置きタイプを小型化したもので、食品(魚)サンプルのRNA(リボ核酸)を分析する。

グルーパーと呼ばれる大型のハタの仲間の偽物が輸入されて流通するのを防ぐのが目的で作られたこのデバイスは、同大学からのスピンアウト企業、PureMolecular, LLCが事業化の準備を進めている。

調理前のグルーパーだけでなく、レストランで調理されたものでも判別が可能だそうだ。検査にかかる時間は45分以下とされている。つまり、このデバイスは一般の消費者が持ち歩いて、スーパーマーケットやシーフード料理店で手軽にチェックするためのものではなく、研究者や調査官などのプロ用。検査時間は長そうに思えるが、これまでラボで少なくとも数時間、場合によっては何日かかかっていたものを大幅に短縮したらしい。FDA(食品医薬品局)はさまざまな魚種のうち、64種類のみを「グルーパー」と呼ぶことを認めている。多くの種類を区別する必要があるため、グルーパーかどうかの検査は複雑になるのだ。

グルーパーは人気が高いらしく、全米での輸入量は2012年で4千トン、3,350万ドルに上るようだ。フロリダの漁獲高では3番目という稼ぎ頭らしいのだが、この売上が外国産の偽物に侵害されている。つまり、このデバイスで偽物を見破って排除して欲しいと願う漁業関係者がフロリダには大勢いるということだろう。偽グルーパー輸入業者は南フロリダ大学のニュースリリースを読んで戦々恐々としたのかも知れない。

【参照情報】
南フロリダ大学のプレスリリース
QuadPyre can detect when your seafood isn't what it claims to be
Researchers develop handheld sensor to sniff out fish fraud

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来