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5G最前線――“ピークレート10Gbps”を2020年商用化の5年前に達成

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2015.05.27

Updated by Naohisa Iwamoto on 5月 27, 2015, 11:30 am JST Sponsored by NOKIA

第5世代移動通信システム「5G」は、2020年の商用化開始を目標として世界中で研究開発が急加速している。5Gの要求条件には大きく「スループットの改善」「IoTやM2Mへの対応」「信頼性、遅延性能の向上が上げられている。そのうちの「スループット」の要件に対しては技術的なメドが立ってきているようだ(関連記事: IoT時代の要求に応える「5G」の技術をノキアが解説、10Gbpsの無線伝送も実現)。

実は「5G」は、まだ正式に標準化組織で議論が進められている段階ではない。2015年後半にも標準化組織の「3GPP」で5Gの本格的な議論が始まるといったところだ。2020年に一部とはいえ商用化を開始するとなると、技術開発も標準化も時間的な余裕があるとはいえない。すでに2015年が半分を過ぎようとしているのだ。

そうした中で、5Gの要求条件の1つである「スループット」に関して、技術開発が標準化の動きに先行した成果が現れている。5Gに対しては、平均スループットでも100Mbps、ピークデータレートは10Gbpsが要求されている。

NTTドコモとエリクソンは2015年3月に、屋外で移動局アンテナを使って4.5Gbps以上のスループットを達成。エリクソンは3月の「Mobile World Congress」 2015(MWC、スペイン・バルセロナ、3月2日~5日)で5Gテストベッドを展示し、5Gbps以上のスループットが得られることをライブデモで示した。これらはセンチメートル波帯に属する15GHz帯を使い、400MHzの帯域幅で4ストリームMIMOによる空間多重を適用して実施したものだ。10Gbpsのピークデータレートの半分までの速度を、達成できていることをMWC 2015の来場客にアピールしていた(関連記事:【MWC 2015】エリクソン、「5G」の無線伝送をデモ、5Gbpsの高速通信を実演)。

MWC 2015開催の翌月、4月にはノキアが一層高速のデモを実施した。ノキアとニューヨーク大学が主催する「Brooklyn 5G Summit」(米国ニューヨーク、4月8日~10日)でのことだ。ノキアはナショナルインスツルメンツ(NI)と共同で、センチメートル波帯よりもさらに周波数が高くなるミリ波帯の74GHz帯を使った5G無線伝送のデモを実施した。帯域幅は2GHz、2ストリームMIMOの構成で、10Gbpsを超えるスループットをライブデモで示すことに成功したのだ。標準化も正式に始まっていない段階でありながら、「5G」が目指すピークデータレートをすでに実現したというわけだ。

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Brooklyn 5G Summitでは、10Gbpsのスループットの実証のほかにも、マッシブMIMOのデモも行われた。多くのアンテナ素子を組み合わせたアンテナアレイを使って、電波を端末のある方向に絞り込むビームフォーミングを実現するもの。三菱電機が開発した多素子フェーズドアレイアンテナとノキアの基地局を組み合わせてデモを行った。現行のモバイル通信に割り当てられている最高の周波数帯である3.5GHz帯を使って、マッシブMIMOが実現できることを示した。

5Gでは、センチメートル波帯やミリ波帯といった高い周波数帯でピークデータレートを高めるだけでなく、既存のLTEなどで使われている周波数帯にも新しい技術を導入して、幅広い周波数帯で要件を満たす方向性が有力だ。ピークデータレートで10Gbpsというスループットの要件が満たされることで、今後はピークデータレートで各社が競うステージだけでなく、IoT、M2M分野や高信頼性、低遅延化など広く5Gの要件を満たすためのステージへと研究開発が一層の広がりを見せることになる。

【Nokia Spesial Contents】
10Gbps伝送やマッシブMIMOをデモ、5Gの最先端が集結した「Brooklyn 5G Summit」

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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