既存のビジネスを助ける仕組み

2015.10.27

Updated by Mayumi Tanimoto on 10月 27, 2015, 08:17 am JST

テック系スタートアップというと、ソーシャルメディアや何か全く新しいサービスを開発すという印象がありますが、最近ロンドンで注目されているスタートアップの中には、昔からあるビジネスの効率化することで、新たな顧客を呼ぶサービスを提供している会社があります。

例えば最近面白いなあと思ったのがWriggleです。同社のアプリは街中にある独立系のカフェや飲食店、ヨガ教室などが、近くにいる顧客にその日の割引メニューやオススメを提示して来店してもらう仕組みです。一見グルーポンのような感じなのですが、異なる点は、単なる安売りや割引ではなく、独立系のユニークなお店を探してきて掲載していることです。ロンドンは手作り大好き、こだわりのサービスが大好きというお客さんが多い上、ユニークなお店も多いです。店もお客さんもチェーン店をちょっと毛嫌いするような感じがあります。こういうサービスはユーザーとしても嬉しいですし、お店側も広告費が限られているので助かります。

同社は2014 年の半ばにはSeedrsにおいて196の投資家から£156,573の投資を獲得しています。サービスや商品は質が良くユニークなのだが、マーケティングや立地が弱いというお店を集めてきてアプリで掲載するというサービスは日本でもありでしょう。

Screenshot 2015-10-26 03.20.18

Screenshot 2015-10-26 03.28.44

 

オンラインでクリーニングサービスを注文できるLaundrappも既存のビジネスをスマホやタブレットフレンドリーにし、効率化することで新たな顧客を呼び込む形のビジネスです。ドライクリーニングだけではなく、1キロいくらの洗濯と畳むサービスも提供してます。アプリ上で注文から配達に支払いまで完結するので店舗に行く暇がない人や、取りに行くのが面倒という人に便利です。クリーニングには出したいけど取りに行くのが面倒という人は結構いますので。(私もその一人)料金も街中のクリーニング屋さんとほぼ同じで、回収&配達費用が含まれているので、交通費や店舗に行く手間暇を考えたらお得です。既存のクリーニング店をパートナーとして募集しているので、既存店は新たな顧客獲得が可能ですし、Airbnbの物件やホテルなどのサービス業向けにもサービスを提供しています。

イギリスは80年代には14,000あまりのクリーニング店がありましたが、2015年には3,000件程度に激減しています。ファストファッションの台頭や、ファッションがカジュアル化したことでクリーニングに出さない人が増えたのが原因ですが、クリーニグ店の経営が厳しいのは日本も同じです。顧客が減っている業界向けに、オペレーションを効率化することで新規顧客の獲得を手助けするというサービスの需要はありでしょう。経営者が高齢化していると、若い人はアプリで注文したがっているとか、Airbnbでもサービスの需要があるということを知らなかったりします。そういう業界は案外多いのではないでしょうか。

 

Screenshot 2015-10-26 03.36.18

Screenshot 2015-10-26 03.38.01

 

 

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

RELATED TAG