ドコモ、パナソニックら、バイクシェア普及促進に向けた実証実験:東京はもっと自転車に優しい街に!

2016.02.05

Updated by Hitoshi Sato on 2月 5, 2016, 10:47 am JST

ドコモ、ドコモ・バイクシェア、パナソニックの3社は2016年2月2日、2020年またその先の社会に向け、電動アシスト自転車をはじめとした、利便性の高い移動手段のシェアサービスや分散充電環境などのインフラ整備に向けた実証実験を共同で行うこと明らかにした。

2020年に向けて「電動アシスト自転車の利便性向上」を目的とした「バッテリーシェアの事業性」の検証

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向け、現在官民挙げて様々な取組みが行われている中、自転車のシェアリングサービスについても、東京都心部において区域を越えた広域相互利用の実証実験が開始されるなど導入が進んでいる。一方で、電動アシスト自転車のシェアリングサービスの普及や利用頻度の増加に伴い、再配置の作業を軽減するための電動アシスト自転車本体の軽量・小型化、およびバッテリー充電の利便性向上が新たな課題となっている。

こうした状況をふまえ、ドコモ、ドコモ・バイクシェア、パナソニックの3社は、ドコモとドコモ・バイクシェアが保有する「コミュニティサイクル等のバイクシェア事業の事業ノウハウ」と、パナソニックグループが保有する「バッテリー充電システム」「電動アシスト自転車に関する技術」を融合し、自転車本体の軽量・小型化に向けた開発検討、及びバッテリーの充電状況を常に快適に保つための分散充電環境の整備(バッテリーシェア)の検討を行っていく。

3社は電動アシスト自転車の利便性向上を目的としたバッテリーシェアの事業性を検証するべく、2016年4月から、東京都臨海地区(晴海、月島、豊洲)において、バッテリーシェアの実証実験を実施する。シェアリングサービス事業者側が用意した予備バッテリーを店舗やサイクルポートで常時充電し、登録会員が自由に共有できる環境を構築することで、利用者の動向を把握・分析し、技術的課題の発見や事業ノウハウの蓄積を行っていく。

シェアリングサービスに適した軽量・小型の電動アシスト自転車の共同開発に向けた検討を行うとともに、将来的にはバッテリーを活用し、携帯電話の充電や災害時の予備電源とするなど、新たな社会インフラの提供も視野に入れ取り組んでいく予定。

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(NTTドコモより)

東京で自転車に乗るって、案外難しい

東京でもたまにサイクルシェアの自転車を見かけるが、サイクルシェアは世界的な潮流である。イスラエルのテルアビブでは市民の生活の足にもなっている。また先日訪問したニューヨークでは極寒にも関わらず多くの人がサイクルシェアの自転車を借りて、颯爽と寒いニューヨークの街を自転車で走り抜けていた(ニューヨークのサイクルシェアは、青のCiti Bikeで目立っているので、直ぐにわかる)。パリやニースでも多くの観光客がサイクルシェアを利用して自転車を借りて街を楽しんでいる。

東京でも自転車に乗ってみたが、東京の都心を走るのは非常に難しいということに気付いた。そもそも自転車に普段乗り慣れていないので、自転車で走り出そうとしても慣れない。車道を走らなくてはいけないのだろうが、車道は自動車が多くて、怖くて無理だ。だからといって歩道を走ろうとしても、既に歩行者が歩いていて、そこを自転車で要領よく走り抜いていくことは結構難しいし、相当高度な技と慣れが必要だ。

初心者が慣れない歩道を自転車で走るのは怖い。乗り慣れた自転車でなく、初めての自転車ではさらに緊張してしまう。自転車は健康にも良さそうだから、運動も兼ねて乗ってみたいが、慣れない道での自転車の運転には神経を使い、かなり疲労してしまった。疲れている時の夜の走行なんて怖くて乗れないだろうな、と思ってしまう。

さらにサイクルシェアは、借りた後、近くのスポットでも返却できるのが特徴であり、ニューヨークやテルアビブ、パリではあらゆる所にサイクルシェアのスポットがあるので、気軽にいろいろな場所で「乗り捨て」ができる。しかし東京にはまだ返却できるスポットが少ないように思う。もしかすると実際には結構な数があるのかもしれないが、ふだん利用しない人には、どこにあるのかわからない。さらに、そのスポットから目的地まで遠かったら、そこから歩かないといけないのでかえって面倒になってしまう。

そして一番心配したのは、返却する前に目的地のビルに自転車置き場があるのか、ということだ。いつもは電車で行く東京の都心にあるビルで、自動車置き場はあっても自転車置き場は見たことがない。そもそも自転車でそこに行く人がいるのだろうか。自転車置き場がなく自転車を放置していたら、他人の通行の邪魔になるだろうし、撤去されてしまうのではないかと不安になる。

サイクルシェアが普及して、もっと気軽に簡単に使いこなせるようになってくれるといいが、それ以前に2020年に向けて東京ももっと自転車が利用しやすい環境になるといいのになぁ、と思っている。

▼パリのサイクルシェア
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▼ニースのサイクルシェアは観光客に大人気である。
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▼極寒のニューヨークでサイクルシェアを利用する人。悪天候でも多くの人がCity Bikeの青の自転車で真冬のニューヨークの街を走っていた。地元の人にはかなり根付いている。
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▼テルアビブのサイクルシェア。地元住民だけでなく、特に物価の高いテルアビブでは移動手段として観光客にも人気が高い。
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【参照情報】
報道発表資料 : NTTドコモ、ドコモ・バイクシェア、パナソニックがバイクシェア事業の普及促進に向けた実証実験を実施

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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