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[2016年第6週]「スマホで遠隔医療」が4月開始、固定電話をスマホで発着信できるサービス

2016.02.09

Updated by Naohisa Iwamoto on 2月 9, 2016, 12:16 pm JST

この週に注目されたニュースとして、オプティムとMRTが国内で初めてスマートフォン・タブレットを使った遠隔診療サービスを開始するという話題があった。これまで原則禁止とされてきた遠隔医療だが、2015年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2015」において「遠隔医療の推進」が盛り込まれたことを受けてのサービス展開である。新しい分野のサービスとしては、日本通信が固定電話の発着信を外出先などのスマートフォンで可能にする新サービスを事業者などに向けて提供すると発表した。価格競争が進むMVNOの中で生き残るための新しい事業のあり方として注目したい。

遠隔医療、バイクシェアなど今後のビジネス促進

まず、新しい事業のトピックから。オプティムとMRTは、スマートフォン・タブレットを用いた遠隔診療サービス「ポケットドクター」を2016年4月に提供する。

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現時点までに気軽に遠隔医療を受けられる身近なサービスは現状まだ存在していないことから、IoTプラットフォームサービスを手がけてきたオプティムと、医師や医療機関をつなぐ医療情報のプラットフォームを提供するMRTが、それぞれ自社の強みを活かし協業する(関連記事:オプティムとMRT、国内初のスマホ遠隔診療サービスを2016年4月から開始)。

2020年からその先の社会に向けた移動手段の取り組みの話題もあった。ドコモ、ドコモ・バイクシェア、パナソニックの3社は、電動アシスト自転車をはじめとした利便性の高い移動手段のシェアサービスや分散充電環境などのインフラ整備に向けた実証実験を共同で行うこと明らかにした。3社は電動アシスト自転車の利便性向上を目的としたバッテリーシェアの事業性を検証するため、2016年4月から、東京都臨海地区(晴海、月島、豊洲)でバッテリーシェアの実証実験を実施する(関連記事:ドコモ、パナソニックら、バイクシェア普及促進に向けた実証実験:東京はもっと自転車に優しい街に!)。

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IoTソリューション提供のトピック。台湾に本社を置き産業用コンピューターなどを手掛けるアドバンテックと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、スマートマニュファクチャリングなどのIoTソリューション提供に向けて協業する。協業では、アドバンテックが提供するPaaS(Platform as a Service)ソリューション「WISE-PaaS」をIBMのクラウド基盤である「SoftLayer」またはPaaSの「IBM Bluemix」と連携させて、ユーザー企業がIoT関連のアプリケーションを開発、実行できるようにする(関連記事:工場向けIoTソリューション提供でアドバンテックと日本IBMが協業)。

固定電話の受話器がスマホに、KDDIも小容量利用者向けプラン

通信サービス関連のトピックを見ていく。日本通信は、自宅やオフィスなどの固定電話を外出先のスマートフォンから発着信できるようにする新サービスを開始すると発表した。利用者は、固定電話の電話番号に電話が着信すると同時にスマートフォンでも着信を受け、通話ができる。スマートフォンから発信する際も固定電話の番号から発信でき、受信側には固定電話番号が発信者番号通知で表示される。発信時の通話料金も、固定電話発の料金で済む。同社が新事業戦略として掲げた「MS Enabler」(モバイル・ソリューション・イネイブラー)の第一弾となるサービスで、MVNOやその他の事業者にサービスを提供する(関連記事:日本通信、固定電話を外出先のスマートフォンから発着信できるサービスを提供へ)。

KDDIがソフトバンクと似たタイプの小容量利用者向けプランを発表。発表したのは、月間データ容量が1GBで月額2900円のデータ定額サービス「データ定額1(1GB)」。これを月額1700円で5分以内の国内通話かけ放題になる「スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)」と組み合わせて利用できるようにした。ISPサービスのLTE NETの月額300円と合計して、月額4900円でスマートフォンを運用できるようになる。新サービスは3月に開始する予定(関連記事:KDDIの少量利用者向けプラン、データ定額に1GBプランを追加して対応)。

もう1つKDDIの新端末と新料金の話題。KDDIは、au携帯電話の新ラインアップとして子どもの安全と保護者の安心をサポートするキッズウォッチ「mamorino Watch」を発売する。キッズウォッチとしては、国内で初めて通話が可能。携帯電話型ではなくキッズウォッチの形態にすることで、保護者と離れて行動する機会が増えてきた子どもが常に気軽に身につけられるようにした。「mamorino Watch」の発売開始に併せて、月々の基本料998円で家族間の通話が無料になる「mamorino Watchプラン」の提供も開始する(報道発表資料:身につけるから、忘れない! 国内初! 通話もできるキッズウォッチ「mamorino Watch (マモリーノ ウォッチ)」登場!)。

Windows 10 Mobile搭載の「VAIO Phone」、台湾でWLANオフロード実験

このほか、1週間のトピックを見ていこう。VAIOは、Windows 10 Mobileを搭載したSIMロックフリーのスマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表した。主に法人利用をターゲットにし、4月から順次発売する。価格は5万円台を想定する。

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Windows 10搭載パソコンとの連携のほか、Office 365の利用、One Driveを使ったデータ共有などが可能になる。VAIO Phone Bizには「Office Mobile」もプレインストールされておりオフィス文書の閲覧や編集もできる。また、Windows 10 Mobileの新機能でスマートフォンにキーボードやディスプレイを外付けすることでパソコンのように扱える「Continuum」にも対応する(関連記事:VAIO、法人需要メインのWindows 10 Mobileスマホ「VAIO Phone Biz」)。

台湾の工業技術研究院(ITRI)とアンリツは、台湾政府の経済部(MOEA)技術局( DoIT)が推進するモバイルブロードバンドサービスと産業開発のプロジェクトで、アンリツの基地局シミュレータ「シグナリングテスタ MD8475A」を使ってWLANオフロード試験区域を構築する。台湾におけるWLANオフロード試験サービスは、2016年第1四半期に運用を始める。今回のWLANオフロード試験区域の構築により、台湾のWi-Fiデバイスメーカーやスマートフォンメーカーに、WLANオフロード機能のテストで必要な試験環境を提供し、国際的な技術標準に準拠したLTEなどの4G通信のオフロード端末の開発を推進する(報道発表資料:工業技術研究院(ITRI)とアンリツが4G端末の機能とフィールド検証のためのLTE - WLANオフロード試験環境を構築)。

KUROCK NETWORKは、「LINEのプライバシー設定、及び乗っ取りに関する調査」の結果を発表した。それによると、LINEユーザーの多くがLINEのセキュリティ対策を十分に施していないことが明らかになった。LINEに限ってみると、「LINEのパスコードロックを利用している」は43.2%、「LINEのPINコードを複雑なものに設定している」は38.6%と、半数以下しか対策を施していないのが現状ということだ(関連記事:LINEのセキュリティ対策、利用者の多くが不十分)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。