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ウサギ島の観光Wi-Fi、海上4km無線伝送で試験に成功

2016.03.17

Updated by Asako Itagaki on March 17, 2016, 11:24 am JST

日本電業工作(以下DENGYO)、エフォートシステム、カワミツ産業は、ウサギ島として知られる観光地の瀬戸内海の大久野島(おおくのしま)で島内観光Wi-Fi試験を実施した。対岸の広島県竹原市と大久野島第2フェリー乗り場および休暇村の間を4.9GHz帯の無線で接続し、17Mbpsでの通信を確認した。

試験では、DENGYOのFalconWAVE4.9-MPプラス(以下MP)を使用。。竹原市本土側に設置したMPから大久野島第2フェリー乗り場に設置したMPまでの海上3kmの伝送、同じく大久野島休暇村までの海上4kmの伝送で、低所に仮設置した簡易中継試験で17Mbps以上を確認した。また、大久野島休暇村前に設置したアクセスポイントから敷地内のエリアと休暇村1Fロビー内のエリア化に成功した。

▼MP設置場所と伝送経路
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▼実験の様子
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MPは、4.9GHz帯長距離無線LANバックホールと、16本のビームによるビームフォーミングで屋外広域Wi-Fiスポット化を実現する2.4GHzアクセスポイント機能を同一筐体に内蔵したシステムで。親機1台に子機4台までのデータ通信ができるマルチポイント通信方式で、最長16km離れた拠点間を効率的に運用できる。さらに親機1台に子機1台のポイント トゥ マルチポイントでは、最大30km離れた拠点に広域Wi-Fiエリアの構築が可能。離島・山間部の通信環境整備や災害時の通信手段確保などの用途が想定されている。

瀬戸内海の芸予諸島に位置する大久野島は竹原市の沖合約3kmに位置する周囲4.3kmの島で、1934年に瀬戸内海国立公園に指定されている。近年約700羽のウサギが生息することで知られ、「ウサギ島」として国内外の観光客が訪れている。年々海外からの観光客が増加しており、本土からの基幹回線の増加とWi-Fiサービスの提供が課題となっている。

【報道発表資料】
瀬戸内海大久野島(ウサギ島)との海上 4km 無線伝送で観光 Wi-Fi 試験
大久野島/ひろしま観光ナビ

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。