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フィアット・クライスラー(Fiat Chrysler Automobiles、FCA)とアルファベット(Alphabet)傘下のグーグル(Google)が自動運転車関連で提携に向けた協議を続けていると先ごろ報じられていたが、米国時間3日にこの提携が正式に発表された。

提携の内容は、FCAのハイブリッド・ミニバン「Pacifica Hybrid」をベースにした実験用の自動運転車を共同で開発するというもの。生産台数は100台程度で、市販予定は無しと控えめな内容だが、グーグルが自動運転車関連で大手自動車メーカーと提携するのは今回が初めてということで、この話題が多くの米媒体で報じられている。

グーグルは自動運転車のハードウェア製造を自社では行わない考えを以前から明らかにしており、自動車の製造に関わるノウハウをもつ複数のメーカーを相手に提携に向けた交渉を進めているとする話も報じられていた。それに対して、FCAのほうは自動運転車に関わる技術開発を自社では行わず、代わりにグーグルのようなテクノロジー企業との提携を模索していた。

この話題を報じたBloombergでは、著名な自動車業界アナリスト、マリアン ケラー(Maryann Keller)氏のコメントとして、「FCAのセルジオ・マルシオーネ(Sergio Marchionne)CEOは追い詰められている状況で、グーグル、アップル(Apple)、ゼネラル・モーターズ(General Motors)、トヨタ自動車などと競争できるだけのリソースを持っていない」「グーグルは情報関連企業であり、自動車づくりに手を出して資金を使ったり、株価にマイナスの影響を及ぼすような真似はしたがらない」などと記している。

なお、Bloombergでは、グーグルがGMとも協議を進めていたものの、提携を通じて得られる技術やデータをどちらが所有するかに関して折り合いがつかず、結局この交渉は物別れに終わったとする関係者の話も紹介されている。また今回発表されたFCAとグーグルとの提携は非排他的であり、FCAがグーグルの技術をライセンスして利用することもないと同媒体は記している。

グーグルは昨年、自動車業界出身のジョン・クラフチック(John Krafcik)を自動運転車部門の責任者に据え、それ以来事業化の可能性を探っているとされていた。また先日には、アルファベットの研究開発部門Google Xで責任者を務めるアストロ・テラー(Astro Teller)氏が「自動運転車プロジェクトがGoogle Xから卒業する日も近い」と述べていた。

The Vergeでは、グーグルが事業所や大学の構内など特定のエリアに限定して自動運転車を使ったシャトルバス・サービスを行うことを視野に入れているとの話を引き合いに出し、最大8人が乗れる「Pacifica」であればこうした用途に適していると述べている。

なおNYTimesでは、グーグルは「Pacifica」ベースの自動運転車の公道実験を今年中に開始したい考えと記している。またWSJでは、来年1月に開かれるデトロイト・モーターショーでのお披露目を目標に、両社がプロトタイプ車の開発を進めるとする関係者の話を紹介している。

【参照情報】
Google Self-Driving Car Project - Google
Fiat, Google Plan Partnership on Self-Driving Minivans - Bloomberg
Alphabet, Fiat Chrysler in Self-Driving Cars Deal - WSJ
Google to Get Fiat Chrysler Minivans for Self-Driving Tests - NYTimes
Google will make self-driving minivans with Chrysler, Bloomberg reports - The Verge

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