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パーキングのIoT化、利用者の利便性と提供者の事業性の向上を後押し

2016.10.21

Updated by Naohisa Iwamoto on 10月 21, 2016, 07:30 am JST

IoTの技術を活用して、コインパーキングなどの駐車場が変わる兆しを見せている。利用者は、目的地の近くで「空いている駐車場に確実に駐めたい」といった要望を持つ。一方、駐車場の提供者は少ない投資で遊休地などを有効活用したい。この両者の仲を取り持つツールとして、IoTが名乗りを上げているのだ。

IoTを活用した新しい駐車場サービス提供の動きとして2016年10月には、2つの動きがあった。1つは、「三井のリパーク」などの事業展開をする三井不動産リアルティが、駐車場シェアリングサービス「toppi!」(トッピ)の展開を発表したこと。もう1つは、駐車場IoTソリューションなどを提供するSPOTが、リアルタイムのコインパーキング満空情報配信ソリューション「Smart Park」の提供を開始したことだ。2016年6月にはNTTドコモも「スマートパーキングセンサー」を使ったIoT活用型の「docomoスマートパーキングシステム」の実証実験を開始しており、駐車場業界のIoT化が進む。10月にアナウンスがあった2つのソリューションを紹介しよう。

駐車場IoTソリューションを活用してシェアリングサービスを提供

三井不動産リアルティのtoppi!は、遊休地の貸し出しを仲介する駐車場のシェアリングサービスとの位置づけだ。空いている月極駐車場や個人所有の駐車スペースを、一時的に借りて駐車できるようにする。toppi!は、IoTソリューションを提供するエスキュービズムの駐車場用予約・決済システム「eCoPA」を採用し、Webサイトやスマートフォンアプリからの車室の予約と、クレジットカードによる決済を行う。

▼「toppi!」のイメージ。コインパーキングの中に、画面左側のシェアリングサービスの車室を用意した(三井不動産リアルティのニュースリリースより)20161020_parking001

駐車場の提供者は、三井不動産リアルティに仲介を申し込み、同社による駐車場としての動線や環境などの審査を経た後に、toppi!の駐車車室として登録される。利用者は、Webサイトやスマートフォンアプリから予約をし、1日単位で車室の利用権を購入する。決済はクレジットカードで行い、11月1日のサービス開始時点では、車室には専用のコーンを置くことで「toppi!」の予約車室であることを示す。このため、車室にはフラップや精算機などの投資が不要で、手軽に事業に参入できるようになる。既存のコインパーキングなどの一部車室をtoppi!に転用することも可能で、駐車スペースの柔軟な運用が可能になる。

三井不動産リアルティでは、今後、エスキュービズムの「eCoPA」が備える、車番認識カメラやセンサーを内蔵したポールの導入も検討しており、IoTを活用したシェアリングサービスへの展開を計画している。「エスキュービズムとアライアンスを組み、センサーの技術を使った様々なサービスの可能性を検討していく」(三井不動産リアルティ リパーク事業本部事業推進部長 吉田儒央氏)と言う。

リアルタイムの満空情報をIoTで配信

SPOTの「Smart Park」は、駐車場の満空情報を知らせる機能を含めたコインパーキング検索機能を備えるアプリとして提供する。10月19日にiOS版のアプリを公開、Android版も公開予定である。Smart Parkの最大の特徴は、リアルタイムの満空情報を知ることができること。満空情報は、大手の事業者のコインパーキングでは配信されているが、それぞれのWebサイトやアプリなどで個別に検索しなければならない。さらに、SPOTによれば「7割以上の駐車場がアプリなどでは検索できない」という市場の状況から、満空情報を得ることができない駐車場が多く存在する。これらを一括して、リアルタイムの満空情報の配信を可能にするのが「Smart Park」である。

▼「Smart Park」アプリの利用イメージ(SPOTのニュースリリースより)20161020_parking002

具体的にはSPOTが独自開発して特許出願中の「IoT満空センサー」を利用する。ソーラー電源で稼働するIoT満空センサーを取り付けるだけで、コインパーキングのリアルタイムの満空表示を読み取れる。これまで、採算性の問題などで満空情報の配信に対応していなかった駐車場でも、低コストで満空情報配信が可能になる。Smart Parkアプリでは、リアルタイム満空情報を表示するほか、指定した駐車場に向かっている途中で満車になったときに通知する機能も備える。また、駐車料金のシミュレーション機能や料金が上がる前に通知する機能も備え、利用者のコインパーキング利用をサポートする。

Smart Parkの検索対象は全国4万5000以上の駐車場。満空検索が可能な駐車場は、現時点で全国1万3000以上に上る。

【報道発表資料】
三井不動産リアルティが“シェアリング・エコノミー”事業に参入 駐車場シェアリングサービス「toppi!(トッピ!)」の展開開始
IoTでコインパーキングをスマート化 10月19日提供開始 空き駐車場を簡単に探せるアプリ「Smart Park」
【参考記事】
ドコモ、開設が容易で満空情報の確認も手軽な「docomoスマートパーキングシステム」を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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