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通信プロファイルを遠隔で書き換え、「eSIM」の実証実験をNTTコムが開始

2017.07.25

Updated by Naohisa Iwamoto on 7月 25, 2017, 06:25 am JST

IoT機器やコンシューマー向けの機器に、出荷後でもモバイル通信のための通信プロファイルを遠隔から設定できる「eSIM」。NTTコミュニケーションズは、日本のMVNO事業者として初めてeSIMの実証実験を行うと発表した。

スマートフォンなどで利用するプラスチック製のSIMカードは、通信プロファイルがあらかじめ書き込まれていて、出荷後の書き換えができない。一方、組み込み用途を想定したeSIMは、出荷後に遠隔から通信プロファイルを設定できる。そのため、国外で最適な回線を選択して利用したり、あらかじめ機器にeSIMを組み込んで出荷し利用する国に合わせて通信プロファイルを設定したりといった柔軟な通信環境の選択が可能になる。

NTTコミュニケーションズでは、同社が香港で提供しているモバイル通信起案をベースにして、遠隔SIMプロビジョニングが可能な環境を構築した。この環境を用いて、日本と香港にあるeSIMを挿入した端末を対象に、eSIMの実証実験を行う。実験は、国際的な業界団体であるGSMAのeSIMの規格に準拠した形で、GSMAが標準化を進めている「M2Mモデル」「コンシューマーモデル」の2モデルに対応する。

M2Mモデルでは、eSIMを組み込んだデバイスなどに対して、遠隔地のオペレーターからのリクエストで通信プロファイルの書き換えを指示して、通信プロファイルの切り替え、無効化、有効化、削除の操作を行う。IoT機器にeSIMを組み込み、海外に出荷後に通信を有効化したり、利用する事業者を切り替えたりするなどの用途についての機能確認を行う。

コンシューマーモデルでは、eSIMを組み込んだデバイスそのものから通信事業者や通信プランを選択して通信プロファイルをダウンロードし、通信を有効化するオペレーションの確認を行う。スマートウォッチやモバイル通信機器などを想定し、利用者が自ら選択した事業者と契約して利用開始する用途を想定する。

また、eSIMと組み合わせることができる埋め込み技術によるパートナーとの共同実験も予定している。例えばSIMを挿すだけでセキュアな通信を実現する技術などを想定している。NTTコミュニケーションズでは、実証実験で得た知見を活用して、IoTなど顧客のグローバルビジネスの展開を支援するようなモバイルサービスの開発・検討を進めていく。

【報道発表資料】
日本のMVNOとして初めて、eSIMの実証実験を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。