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安心安全なIoT社会実現に向け、NTTコムらがセキュリティ基盤を活用した実証実験

2017.09.05

Updated by Naohisa Iwamoto on September 5, 2017, 06:25 am JST

IoTが普及すると同時に、これまでネットワークに接続してこなかった電子デバイスが通信環境を持ち、サイバー攻撃にさらされる事態が拡大している。安心安全なIoT環境を提供するために「セキュリティ基盤」を活用する試みが始まる。

NTTコミュニケーションズ、NTTPCコミュニケーションズは、「カーモビリティ」「スマートホーム」「エデュケーション」の3分野でIoTセキュリティ基盤が有効に機能することを検証する実証実験を2017年12月に開始する。IoTデバイスがマルウェアに感染したり、感染したデバイスがDDoS攻撃などを仕掛けてしまったりするような脅威に対して、セキュリティ基盤を構築することでIoTデバイスやサービスの安全性を高める。これは総務省より受託した「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」の1つであり、タイムズレスキューTOTO、小金井市立前原小学校と協業して実施する。

IoTセキュリティでは、信頼のないデバイスを接続させないための認証や暗号化、IoTデータの管理や異常検知、原因特定や対策などの機能を備える。これらを活用し、3分野の実証・検討を行う。

カーモビリティ分野ではタイムズレスキューと協業し、ロードサービスに関連する実験を行う。専用通信端末を取り付けた車両から得たデータをもとに、故障や事故のリスクを通知するほか、故障や事故が起きた際に対象車両のデータから最適な作業者をアサインする。

スマートホーム分野ではTOTOと協業し、水まわり空間における健康管理や高齢者見守りサービスでの活用を実証する。具体的には、未病状態の把握や介護を要する高齢者の状態をトイレなどに搭載された各種センサーの情報で把握・分析し、健康維持につなげるレポートを提供する。

エデュケーション分野では小金井市立前原小学校と協業。児童の学習履歴や校内の環境データを収集し、それらの因果関係を把握することで、効果的な学習環境を検証することを狙いとする。

IoTのセキュリティ基盤では、ソフトバンク・テクノロジー、サイバートラスト、ミラクル・リナックス、ラムバスの4社がIoTデバイスの真正性の確保やデバイスマネジメントなどを統合的に行えるソリューションを開発し、提供を目指している(関連記事:IoTデバイス500億時代に自社製IoTデバイスを攻撃の牙から守れ)。IoTの普及を推進するためには、セキュリティを担保するための仕組みを手軽に利用できるこうしたIoTセキュリティ基盤の有効性が示され、安心安全なサービスを提供できる環境づくりが求められる。

【報道発表資料】
「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」に参画

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。