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大も小もIoT、建機の遠隔施工から手軽なトイレIoT化まで

2018.02.20

Updated by Naohisa Iwamoto on 2月 20, 2018, 06:25 am JST

様々なモノをネットワークでつないで新しい価値を提供するIoTで、大と小の両極の実験が行われているアナウンスが2018年2月15日にあった。「大」は建設機械(建機)を5Gで遠隔操作する実験、「小」はトイレのIoT化の電源不要での実現である。

大きい方の建機を遠隔施工する実験は、KDDI、大林組、NECが共同で実施したもの。5G(第5世代移動通信システム)の通信と高精細の4K 3Dモニターを活用して、遠隔から建機を無人で操作する。実験は2018年2月1日から14日にかけて、大林組の東京機械工場で実施された。実験では、現行の建機に高精細4Kカメラを2台、2K全天球カメラを1台、2K俯瞰カメラを2台設置。これらの5台のカメラ映像を、5Gの技術を用いた28GHz帯の超多素子アンテナによるビームフォーミングを活用した通信で、遠隔操作室に伝送した。遠隔操作室には裸眼で自然に立体視が可能な3Dモニターを導入し、高精細で奥行きのある情報を遠隔地のオペレーターが得られるようにした。実験では、遠隔操作の作業効率を従来よりも15%~25%改善できることを確認した。

▼建機の遠隔操作の実験イメージ(ニュースリリースより)
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5Gの高速大容量で低遅延の通信を活用することで、遠隔地からでも建機などの機器を繊細に操作が可能になる。人が立ち入ることができない災害現場などで、迅速な復旧作業を安全に行うことにつながる。今回の実証実験は、総務省の技術試験事務における「5G」総合実証試験として実施した。

小さい方のトイレのIoT化の実験は、シブタニ、ローム、ウイングアーク1stが共同で実施する。トイレの利用管理をするトイレのIoT化は様々な実験や利用が進められている。一方で、数多くのトイレの個室に、電源や通信環境を備えたIoTデバイスを設置するのは現実的に課題を残す。今回3者が実施するのは、電池不要、配線不要のIoTデバイスによるトイレのIoT化の実験である。シブタニが開発したスライドラッチ(トイレの施錠金物の専用受け)「SWITCHSTRIKE AIR」を利用することで、手軽にトイレのIoT化が可能になるというものだ。

▼トイレIoTのシステム構成(ニュースリリースより)
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SWITCHSTRIKE AIRは、トイレの施錠金物。スライドしてロックする金物は誰もが使ったことがあるだろう。この金物に、電池も配線も不要のローム製の通信デバイス「EnOcean」を搭載し、トイレの施錠・解錠情報を発信する。施錠・解錠時の動きで電磁誘導により発電し、通信を行うために、電池も配線も不要になる。発信したデータは、ウイングアーク1stが提供する管理システムを使うことで、可視化、分析が可能になる。

実験は、京都市の協力を得て、元離宮二条城の大休憩所トイレで開始している。観光客が多く立ち寄るトイレの使用状況をデータにより管理、分析し、二次利用に役立てる計画である。また、SWITCHSTRIKE AIRはサンプル出荷を開始しており、2018年3月には希望小売価格1万5000円で発売を予定している。ドライバー1本で既存のトイレの金物と交換することで、満空情報の表示などのトイレIoTのソリューションを手軽に提供できるようになる。

【報道発表資料】
KDDI、大林組、NEC 国内初!「5G」、4K3Dモニターを活用した建機の遠隔施工に成功
トイレのIoT革命、電池・配線レスのIoTスライドラッチ「SWITCHSTRIKE(スイッチストライク) AIR(エアー)」を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。