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創業70年のデンソーが建国70年のイスラエルで「サテライトR&D」活動開始

2018.04.23

Updated by Hitoshi Arai on April 23, 2018, 12:35 pm UTC

1949年設立、来年で70周年を迎える株式会社デンソーは、今年建国70周年を迎えたイスラエルでサイバーセキュリティやAI等の先端技術分野に関する研究開発を進めること明らかにした(デンソーのプレスリリースへ)。

デンソーは、既に海外に7カ所のR&D拠点があるが、それに加えて、現地企業や大学との共同研究開発を進める“サテライトR&D”をフィンランドに設置している。今回のイスラエルでの研究開発は、フィンランドに続く二つ目のサテライトR&Dとなる。先行するフィンランドでは、MaaS(Mobility-as-a-Service)に関連する「Symbio」という企業とのプロジェクトやヘルシンキの「アールト大学」との活動を開始しており、大学内のインキュベーション・センターにデンソー社員が駐在して研究活動を進める計画もあるという。イスラエルのケースも、活動の進展によっては、現地駐在もあるだろう。

▼創業70年のデンソーが建国70年のイスラエルで「サテライトR&D」活動開始(デンソーのプレスリリースより)
創業70年のデンソーが建国70年のイスラエルで「サテライトR&D」活動開始

自動運転やコネクテッドカーの時代にはセキュリティ技術がますます重要となる。これまでデンソーは、IoTや組み込みシステムのセキュリティに強みを持つ米国のDellfer社に2億ドルを出資している。今回のイスラエルでのR&Dは、その流れをさらに強化するものになる。イスラエルは、センシング、AI、サイバーセキュリティ、半導体、通信等、自動運転やコネクテッドカーなどの領域で高い技術力、豊富な人材を有し、世界から注目されている。また、3月の記事「自動運転の世界的なR&D拠点への第一歩、イスラエルの『スマートモビリティーセンター』」でもレポートしたように、イスラエルは政府としても当該分野に力を入れている。デンソーの事業の方向性に合致した技術やサービスを持つイスラエルの企業や大学は多く、R&D環境としても優位性があるに違いない。

デンソーは、愛知県の本社のR&Dや東京支社のR&Dの一部を集結し、品川にも自動運転やコネクテッド分野の新たなR&D拠点開設を発表したばかりである(デンソーのプレスリリースへ)。どうやら、こちらがフィンランドやイスラエルのサテライトR&Dを統括し、各地域の特徴や優位性を生かした技術開発を進めるようだ。

サテライトR&Dは、プロジェクトベースが基本とのことで、組織としての活動よりも、迅速かつ柔軟に研究開発を進められ、さらに社会実証、市場実証を行うことで「アジャイルな」商品化を目指している。車を取り巻く環境は急激に変化しており、ハードウエア中心の車から、ソフトウエアやさらにはコンテンツなどの構成要素が増えてくる。だからこそ、これらについてイスラエルを始めとする海外の力をスピード感を持って活用するグローバルなオープンイノベーションへ向けたアクションを起こしたといえるだろう。

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新井 均(あらい・ひとし)

NTT武蔵野電気通信研究所にて液晶デバイス関連の研究開発業務に従事後、外資系メーカー、新規参入通信事業者のマネジメントを歴任し、2007年ネクシム・コミュニケーションズ株式会社代表取締役に就任。2014年にネクシムの株式譲渡後、海外(主にイスラエル)企業の日本市場進出を支援するコンサル業務を開始。MITスローンスクール卒業。日本イスラエル親善協会ビジネス交流委員。E-mail: hitoshi.arai@alum.mit.edu