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次世代ボディエリアネットワーク「SmartBAN」、広島市立大学が実用化を推進する技術

2018.07.24

Updated by Naohisa Iwamoto on July 24, 2018, 10:40 am UTC

医療やヘルスケアなどでさまざまなIoTデバイスやセンサーを身に着けるケースは、IoT化する社会で今後増えていく。こうした複数のIoTセンサーノードで計測したデータを、無線を利用してハブに集約する「ボディエリアネットワーク」(BAN)の1つである「SmartBAN」の実用化技術を、広島市立大学らが開発した。

「SmartBAN」は、欧州電気通信標準化機構(ETSI)で2015年4月に規格化された仕様。今回、広島市立大学大学院 情報科学研究科 医用情報通信研究室は、東芝デベロップメントエンジニアリング、広島市立病院機構広島市立広島市民病院と共同で、SmartBANの仕様を基に開発した実用化技術を発表した。具体的には、人体の適切な部位に装着した複数センサーを組み合わせて取得した生体情報を解析・分析するとき、必要になるそれぞれの時間同期をSmartBANで実現する技術である。

2018年7月17日から米国・ハワイで開催された「IEEE国際会議40th International Engineering in Medicine and Biology Conference(EMBC)2018」で、「脈波伝搬速度(PWTT)による血圧の変動推定を例に、SmartBANの時間同期をとりながらデータを取得する機能の評価」として発表した。

▼SmartBANの無線時間同期技術を使った利用イメージ(ニュースリリースより)

SmartBANには、「低消費電力化」、同じチャネルを使用するBAN同士の干渉回避ができる「システム共存」、遅延や誤り率などの「QoSの最適制御」、緊急信号の迅速な発信が可能な「タイムリーな接続」--といった特徴がある。こうした特徴を生かして、安価なセンサーを複数装着しながら、無線経由で連携して動作させる医療・ヘルスケア分野のIoTソリューションの提供を可能にする。今回の無線を利用した場合の時間同期機能の実用化により、SmartBANを使って複数のセンサーなどから得られる生体情報をより有機的に連携して分析するなどの活用が可能になる。

東芝デベロップメントエンジニアリングは、今回開発した技術を用いた「SmartBAN実験キット」を製品化し、年内に発売する予定である。

【報道発表資料】
医療・ヘルスケアなど幅広い領域での活用を目指す、次世代型IoTデータ無線集約技術「SmartBAN」の実用化技術を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。