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彼女たちはなぜ大工になったのか 女性職人とのダイアローグ

2023.02.03

Updated by WirelessWire News編集部 on February 3, 2023, 07:16 am JST

あれ、女性大工が増えてない?

国土交通省住宅局が実施している事業に「大工技能者等の担い手確保・育成事業」というものがある。関連HPには、この事業の目的が次のように書かれている。

「本事業は、大工技能者の減少・高齢化が進行する中、処遇改善、働き方改革、外国人受入れや女性活躍等といった環境変化に対応しつつ大工技能者等を確保・育成するための研修活動等を支援することにより、木造住宅及び都市木造建築物の生産体制の整備を推進することを目的とするものです。」

この目的に沿って、国は、複数の大工技能者関係機関が連携して実施する大工技能者の技能向上のための研修活動や大工技能者が能力・経験に応じた処遇を受けられる環境整備の取組等に対する支援を実施している。そして年に1度、その支援を受けた全国各地の大工技能者関係機関等が一堂に会して成果発表を行う機会がある。この事業に些か関係してきた経緯のある筆者にも、その発表会の案内が届く。

2020年度の成果発表会の時だった。大工技能者の技能向上のための研修活動の報告書の中に、各地での研修活動に参加した大工の人数が記載された表を見つけた。そして、少々驚いた。すべての研修ではないが、複数の地域の研修で女性の参加が見られたのである。女性大工だ。こういう研修を受ける若い女性大工が全国各地にいるというイメージはなかっただけに、とても興味深く思った。何か明るい兆しのように感じたのだ。

早速、女性が研修に参加したという報告をあげていた各地の団体に連絡を取って質問した。「この女性大工の方々のお話を伺う機会を作っては頂けませんか」と。有難いことに、全国の8団体が協力して下さり、16名の女性大工の方々にインタビューすることができた。

今回と次回は、2回にわたりこのインタビューで聞くことのできた女性大工の皆さんの生の声を紹介したいと思う。彼女たちこそ「ものづくり未来人」だと思うからである。なお、このインタビューは、科学研究費基盤研究(B)「建築現場を担う人材の多様なあり方に関する研究」(課題番号20H02326)の一環として行った。

小さい頃から大工に憧れていた人たち

今回は、彼女たちが大工になった経緯について語った内容を紹介しておきたい。総じてものづくりが好きだからとか、体を動かす仕事が性に合っているとかいう人が多かったが、事情はそれぞれである。先ずは幼い頃から大工に憧れていたというユキエさん(仮名)から。

【長野県のユキエさんの話】

初めは小学校の頃、近所で建て方をやっている大工さんの姿に憧れて。その時点では大工になりたいというわけではなくて、良いなという気持ちでした。そしてしばらく経って、高校生の時に、先生が技術専門学校というところがあるよと他の人に言っているのを小耳にはさみ、調べてみて「ああ良いな」って。その時に、ふと小学生の時の光景を思い出しました。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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