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  • つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く

    2025.05.21

    ニコラス・カーの新刊『Superbloom』の書名は、2019年にカリフォルニア州のウォーカー・キャニオンで大量のポピーが咲き乱れた現象に由来します。当初は地元住民だけがオレンジ色のポピーを楽しんでいましたが、数万人ものフォロワーを持つインフルエンサーが自撮り写真を投稿するや、ハッシュタグ「#superbloom」がバズります。しかし、写真を撮るために道路を渋滞させるほど多くの人が押し寄せた挙句、環境保護区域の花々が踏みつけられるなど自然破壊が問題となり、交通警官が負傷する事態となると、今度はポピーの写真の投稿者に激しい非難コメントが寄せられました。

  • 「賢明な消費」ははたして存在するか

    2025.05.20

    大量生産、大量消費、技術の発達に下支えされた消費資本主義の発展が、全体主義的な管理社会へとつながるという議論は、当時の時代の産物として理解する必要がある。ただこうした議論は、現代の消費社会を考えるための一つの道標として、有用な視座を与えてもくれる。

  • AIコーディングとデバッグ

    2025.05.15

    AIコーディング・アシスタントとプログラミングをしていると、よく「AIが生成するバグ」に遭遇します。バグなので直さなければならないのですが、AIが産み出したバグを人間が指摘して直してもらったり、またしばしば人間が直接修正したりするのは大変不本意で本末転倒な気がします。

  • スーパー書評「ダーウィンが提起した生物の生存経過」
    『種の起原』(八杉龍一訳、岩波文庫上下)

    2025.05.13

    『種の起原』は、誰もが知っている書物ですが、さてしかし、読み通すのは邦訳でもかなり大変です。私事ですが、大学の卒業論文と修士論文のテーマが、この書物に絡んでいましたので、原文、和文とも一応読んだのですが、正直なところかなりの難事であったことは確かです。

  • 検索から生成へ から2年

    2025.05.12

    二年前に上梓した「検索から生成へ」が再び身の回りで話題になっている。 当時はピンと来なかった人も、最近のAIの進歩でようやくわかってくれるようになったらしい。 本書は能天気なまでにAIの進歩を前提としているが、その直感が […]

  • 『君たちはどう生きるか』が大間違いである理由

    2025.05.07

    コペルニクスは37歳の時に地動説の梗概を記した小冊子コメンタリオールス Comentariolus を印刷して知人に配布したが「たいへんな騒ぎ」にならなかったし、主著『天体の回転について』の出版を知るのは、彼が死の床に就いていたときであった。