宇宙からしかみえない真実がある 2022.12.01 飛行機械の歴史は「空から見渡す」という用途と密接に結びついている。有り体に言えば軍事目的の偵察だ。1783年にモンゴルフィエ兄弟が熱気球を発明して以来、20世紀初頭まで、気球は偵察と大砲の弾着観測のために盛んに利用された。1903年にライト兄弟が飛行機を発明すると、浮いているだけの気球は飛行機から攻撃されるようになって姿を消す。
私たちを支配する「手数料」 2022.11.30 資本主義の特徴は持続的経済成長だとされる。私たちは春闘のたびにベースアップを要求するのが通常であるが、それは経済が成長するものだという前提があるからにほかならない。
新世代のアスリートを育むメタバース 2022.11.29 スポーツ分野のメタバース活用で最近注目を集めた話題といえば、英プレミアリーグのマンチェスター・シティ(以下、マンC)がVRトレーニングプラットフォームのRezzilと提携したという話だ。
デジタル化で薄れる共生感覚 2022.11.28 近年、「あいまいな喪失」が注目されている。「さようならのない別れ」も関わりが深い現象だ。人が生きているのか死んでいるのかを認識しにくいという経験とも言える。
不確実さこそ、人の世の塩である 2022.11.25 人が進歩を続けているのかという問いに対しては、異なる角度から見てみると別の答えが現れる。市民社会になってから社会全体が進歩という概念・共通価値を共有するようになったが、新たな問題も浮上した。目下の問題の一つが、人が長生きをするようになったことだ。
「話し合いで解決すればいい」の真実 2022.11.24 「戦争をなくすには、どうすればいいと思いますか」と大学の授業で学生たちに問いかけると、必ず数名が「政治問題を武力ではなく、話し合いによって解決すればいい」と答える。
ピケティが見逃した「金融社会」 2022.11.22 2014年に出版されたトマ・ピケティの『21世紀の資本』(山形浩生・守岡桜・森本正史訳、みすず書房)は、当時大きな話題となった書物である。これは、格差社会を論じた研究だとまとめられよう。
人を傷つける行為は、語れないときに加速する 2022.11.18 インターネットの炎上によって特定の人たちが仕事を失うことを、「キャンセルカルチャー」と呼ぶ。日本だけではなく、世界中でキャンセルカルチャーが広まりつつある。
日々の生活こそ凡てのものの中心である 2022.11.17 2020年初頭以降、コロナウイルスの世界的な感染拡大によって私たちの生活は一変した。何がどのように変わったのか逐一挙げていてはキリがないが、最も大きな変化の一つが移動の制限であろう。
偉大な発見には、多くの知性の協力が不可欠である 2022.11.16 そもそも「知性」とは何か。そこにはさまざまな解釈があり、決め手となる定義がない。しかし私たちは何となく漠然と「複雑な行動を生み出す、脳に由来する何か」といった意味を了解し、「知性」という言葉を使っている。