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村上 陽一郎 youichirou_murakami

1936年東京生まれ。専攻は科学史・科学哲学・科学社会学。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学先端科学技術研究センター長、東洋英和女学院大学学長などを経て、現在、東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授、豊田工業大学次世代文明センター長、一般財団法人日本アスペン研究所副理事長。2015年に瑞宝中綬章受章。膨大な数の著書・訳書・編著を誇るが、代表的なものに『科学者とは何か』『文明のなかの科学』『あらためて教養とは』『安全学』、シャルガフ『ヘラクレイトスの火』、ファイヤアーベント『知についての三つの対話』、フラー『知識人として生きる』『伊東俊太郎著作集』『大森荘蔵著作集』などがある。幼少より能楽の訓練を受ける一方、チェロのアマチュア演奏家としても活動中。

【村上陽一郎氏による私塾】専門家とは何か 第1回:専門家に必要な“意外な”覚悟

村上陽一郎氏によるオンライン私塾がスタート。専門家とは何か、専門知とはどのようなものなのか、考えを深めていきます。

2021.04.05

エリートと教養17 「男と女」ジェンダーとは何か? その1

少なくとも、このジェンダーの区別を無視しては、人間の歴史は一切語れません。そこで、現在では触れるのが最も危険なこの話題に、ここではできるだけ穏当な形で挑戦してみることにします。

2021.03.23

エリートと教養16 「食べる」ということの本質

ヒトの生命維持にとって、絶対不可欠な摂食と排泄。どちらも「人間」ではなく、「ヒト」に関わる機能ですが、それだけに「人間」としては、あからさまにそこに踏み込むことへの羞恥とそれに由来する慎み深さが、私たちの文化の中には確かに連綿と受け継がれてきていたはずです。

2021.03.18

エリートと教養15 政治家が操る空疎な「言葉」

政権側の言葉遣いもまた、言いようがないほどに貧しいものです。使われる頻度の最も高い表現は、ダントツで「しっかり」と「万全の対策を講じる」、それに「・・・と連携して」という言葉でしょうか。

2021.03.10

エリートと教養14 政治を報道する「言葉」の選択

2020年は、ウィルス禍と学術会議問題とが、メディアを賑わした。学術会議問題というのは、新規の会員登録の際、会議側が示した候補者リストのなかの六名の方について、政権交代したばかりの菅内閣が任命を「見送った」という出来事である。問題にしたいのは、この事件を報じるメディアの言葉遣いである。

2021.03.05

エリートと教養13 教養とは物知りのことなのか

ウイルス禍で、嫌でも家に閉じ込められる時間が長くなった今、やはりTVは生活の中に必要と感じられるものという感覚が強くなっています。それはそうなのですが、今のTV番組には、事前に予想というか期待していたようなこととは全く違っていたことが幾つかあります。

2021.02.02

スーパー書評「漱石で、できている」9 宮澤賢治の童話 その1

「私」は漱石によって作られた、とかつて書きましたが、「私」の一部(それも軽視できないほどの部分)には賢治も入り込んでいます。かといって、世にある「ケンジアン」とは、自分は少し違うように思っていますが。

2021.01.13

エリートと教養12 現代日本語考 6 日本語を歌う

前回、最後は七・五の詩とそれに重なる歌の話になりました。私の過去の中で、もう一つの七・五の世界は、旧制高校の寮歌です。無論、私は新制度の人間ですが、父親は、四、五歳の私に、一高の寮歌を歌わせようとしました。中でも最も有名なのは『嗚呼玉杯に花うけて』です。後に佐藤紅緑が同名の小説を書いたほど、広く知られた歌になりました。

2020.11.26

エリートと教養11 現代日本語考 5 日本語を読む

賢治の作品を読んで誰もが気付く一つの特徴は、独特のオノマトペがふんだんに盛り込まれていることです。「北守将軍」では、ソンバーユ将軍が人馬もろともに、三人の医者の許を訪れるときの、「ぎっ ばっ ふう」、「月夜のでんしんばしら」では「ドッテテ ドッテテ ドッテテ ド」、「風の又三郎」では「どっどど どどうど どどうど どどう」などなど、枚挙にいとまがありません。

2020.11.09

「音楽 その光と塩」 9. 「能」とは何か?

いろいろな機会に、私がヨーロッパのクラシック音楽には一応の素養があり、なかでもチェロを永年弾いてきたことについては、文章を書き散らしてきました。しかし、このシリーズでは、僅かですが日本の古典芸能である能・謡曲に関しても、むしろ西洋音楽よりも早い時期から学ばされたと述べただけで、その詳細には口をつぐんできました。本稿では少しだけ、その背景をお伝えすることから始めたいと思います。

2020.11.02

スーパー書評「漱石で、できている」8 帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』

著者は精神医学の専門家で、臨床医でもあるかたわら、現在は九州でクリニックを開いておられる現役の医師。他方、もともと大学ではフランス文学を専攻し、医学は大学に入り直されて資格を取られた、という経歴からも推測できますが、文芸の世界にも独自の世界を切り開かれ、多くの小説を世に問うて来られました。

2020.10.26

エリートと教養 10 宗教について

日本国憲法第八九条の内容をご存じでしょうか。そこには「公金」は「公の支配に属しない慈善、教育、博愛」の施設に支出してはいけない、という意味のことが明確に書かれています。実はその前に、「宗教」に対しても同様の記述があります。

2020.10.20