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フラッシュメモリより高速・大容量 - 次世代ストレージ「ReRAM」のデモ版発表

2013.08.06

Updated by WirelessWire News編集部 on August 6, 2013, 11:48 am JST

クロスバー(Crossbar)という米ベンチャー企業が現地時間5日、開発中のReRAM(Resistive Random Access Memory:抵抗変化メモリ)というメモリー製品のデモ版を発表。同製品はフラッシュメモリに置き換わる新たな技術を利用したものとして注目を集めているという。

ReRAMは不揮発性メモリの一種で、シリコンを三層に重ねたシンプルな構造からなり、電源が切れた状態でもデータを永久に保存することができる。また単一のチップ上に1TBものデータを保存でき、各チップは立体的に積み重ねることで記憶容量を拡大できる。また書き込み速度は既存のNAND型フラッシュメモリに比べて20倍も高速で、しかも消費電力は20分の1になるという。

クロスバーは既存の製造技術で生産でき、実際にデモ版の製品も同社のパートナー企業がCMOSを製造している工場でつくられただものという。同社はこの技術の商用化と半導体工場向けのライセンス提供を来年にも開始したい考えを示している。

GigaOMによると、次世代ストレージ技術に関しては、エヴァースピン(Everspin)の「MRAM」やサイプレス・セミコンダクター(Cypress SEmiconductor)の「Ferroelectric RAM 」など複数の企業が開発を進めているほか、ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)も「memristor」と呼ばれるReRAMの開発を行っているとされており、今後もさらなる開発競争が予想されているという。

クロスバーは2010年の創業で、ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンスなどからこれまでに少なくとも2050万ドルの資金を調達(VentureBeatでは2500万ドルとなっている)。また同社はミシガン大学のウェイ・ル(Wei Lu)教授が発明した技術を利用しており、現在はAMDのスピンオフ、スパンション(Spansion)の元幹部だったジョージ・ミナシアン(George Minassian)氏がCEOを務めているという。

【参照情報】
How Crossbar wants to jolt memory capacity and cut power use - GigaOM
Flash successor announced - ZDNet
Crossbar says it will explode the $60B flash memory market with
Resistive RAM, which stores a terabyte on a chip
-VentureBeat

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