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パナソニックが狙うインドネシアのLED照明市場:ユネスコらと共同でプランバナン遺跡LEDライトアップも

2015.01.19

Updated by Hitoshi Sato on January 19, 2015, 17:30 pm UTC

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インドネシア教育文化省、ユネスコ ジャカルタ事務所、PT. Taman、パナソニックは、インドネシアにおける「ユネスコ世界遺産の保護と保全」及び「ボロブドゥール、プランバナン、ラトゥ・ボコ遺跡周辺地域の若者の持続可能な発展を目的とした教育文化事業の促進」について4者間で2014年10月9日に基本合意を結び、以下の共同プロジェクトを12月17日から開始した。またパナソニックではインドネシア市場でLED照明器具の大幅拡充を目指している。パナソニックは、日本で培った最先端のLED照明技術をベースに、デザイン性、省エネ性を兼ね備えた器具の品ぞろえを拡充し、インドネシアの快適な生活に貢献していくことを目指している。

(1)世界遺産「プランバナン寺院遺跡群」にライトアップ用LED投光器を寄贈
1991年にユネスコ世界遺産に登録された「プランバナン寺院遺跡群」にライトアップ用LED投光器を16台寄贈した。プランバナン遺跡ではライトアップ用にハロゲン灯(HIDランプ)が使用されていたが、LED投光器の採用により、約30%の省エネ効果を実現。これは、従来光源(HID)での5時間点灯とLEDでの5時間点灯(シルバー1.5時間、プラチナ3時間、ゴールド30分点灯)で比較したもの。また瞬時に点灯し、電球交換が長期間不要になるなどメンテナンス性を大幅に向上することが可能になる。

プランバナン遺跡はジャワ島最大の寺院コンプレックスのひとつとして知られ、特徴的な高い小塔からなるヒンズー教寺院群で構成されている。インドネシアの9世紀のヒンズー教時代に建立され、プランバナン寺院の中央部には3つの塔が配置されている。500を超える寺院がそのまま残るプランバナン寺院遺跡群は、宗教的な平和共存を象徴しているだけでなく、建築上、文化的に重要な至宝となっている。パナソニック寄贈のLEDによる新しいライトアップで、世界遺産と周辺環境の保全促進に貢献していく。

【参考動画】Panasonic & UNESCO Projects at the Prambanan Temple Compounds World Heritage Site

(2)プランバナン遺跡・ボロブドゥール遺跡周辺地域の持続可能な発展を目的とした教育文化事業を実施
地元政府、学校、クリエイティブ産業を促進する関連ビジネスネットワークなどとのパートナーシップで、ボロブドゥールならびにプランバナン地域に住むユース世代を含むローカルステークホルダーならびにコミュニティを対象に、「持続可能な成長、環境技術、クリエイティブな経済活動、自然災害の軽減をテーマにした世界遺産保護に関するフォーラム」と「クリエイティブ産業および持続可能な観光事業の開発のためのキャパシティー・ビルディング・トレーニング」の共同プログラムを1年間にわたり実施していく。

本プログラムは、世界遺産保護の重要性についての社会の意識を高揚させ、文化的産業の教育およびトレーニングプログラムを通じて若者に生計設計の機会を提供することを目指す。4者は基本合意を通じて、世界遺産をはじめとした地球環境保護と次世代教育支援に貢献していく。

パナソニック インドネシア市場でLED照明器具を大幅拡充

パナソニック・ゴーベルES販売インドネシアは2014年12月26日、インドネシア市場において2015年3月1日よりシーリングライトなど住宅用LED照明器具49品番、道路灯など非住宅用LED照明器具9品番を順次発売し、製品ラインアップを大幅に拡充していくことを発表した。これによりインドネシアにおける2018年度照明事業の売上高で、2013年度の約4倍となる100億円を目指す。

今回、住宅用LED照明器具では、普及価格帯を中心に高機能からベーシックな機種まで商品ラインアップを強化。シーリングライトは、天井から少し浮いた位置にクリアな導光パネル1枚を取り付けることにより、軽やかなデザインを実現。器具の直下だけでなく、天井や壁面にも光を拡散することで部屋の広さ感を高められる。ペンダントライトは、シンプルでコンパクトなデザインながら、さまざまなニーズに対応できる明るさと色温度を用意。ダウンライトは、発光部をひとつにまとめたワンコアにより多重影を解消し、美しい光を実現。豊富なバリエーション(明るさ・色温度)を投入することで、幅広い設置場所に対応。
非住宅用LED照明器具では、道路照明器具などを展開する。道路照明器具は、25W、40Wの低ワットと、90W、120W、200Wの中~高ワットの商品をラインアップ。低ワット商品は、明るさに応じた器具サイズで小型・軽量化を図り、高ワット商品は、約50,000時間の光源寿命と省メンテナンス性を実現。

インドネシアは、他のアジア新興国と同じく、工業化に伴って都市化が進み、エネルギー消費が急増している。インドネシア政府は、エネルギー政策の一環として、企業から一般家庭までを対象に省エネ目標を導入している。

またインドネシアでは特に財政難から、政府は2014年5月に電力補助金を削減するため産業向け電気料金を引き上げた。当初は大口の電気使用会社が対象とだったが、今後も電気代の値上げは一般家庭にまで拡大されていくことが予想されている。国民が反発しているが、今後も電気料金の値上げは必至であろう(これは電気代だけでなく他の公共料金も値上げが続いている)。このような電気料金値上げはインドネシアへ進出している企業、これから投資を検討しようとしている企業もインドネシアでのビジネスを躊躇しかねない。そのためインドネシア全体で省エネ効果が高いLEDへの関心は高い。

▼プランバナン寺院とLED投光器
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▼LED投光器による光があたる夜のプランバナン寺院
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(出典:パナソニック)

【参照情報】
インドネシア政府、ユネスコ、パナソニックが共同でインドネシアにおける環境保護と次世代教育を支援
パナソニック インドネシア市場でLED照明器具を大幅拡充

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。