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ソフトバンク網で262.5Mbps、ノキアと共同で3波キャリアアグリゲーション試験に成功

2015.09.30

Updated by Naohisa Iwamoto on September 30, 2015, 10:25 am JST

ノキアソリューションズ&ネットワークス(ノキアネットワークス)は2015年9月29日、ソフトバンクと共同でソフトバンクの商用網でLTE-Advancedの技術を用いた3波のキャリアアグリゲーションの試験に成功したことを発表した。

試験では、900MHz帯の10MHz幅、1.8GHz帯の10MHz幅、2.1GHz帯の15MHz幅の3つの周波数帯を束ねて、3波キャリアアグリゲーション(3CC CA)を実現した。これにより、下り最大262.5Mbpsの通信速度を実現した。ソフトバンク網では現在、「SoftBank 4G LTE」サービスの下り最大187.5Mbpsが最高速度で、1.4倍に当たる通信速度のサービスの実現の準備が整ったことになる。

試験に利用したのは、ノキアネットワークスのSingle RAN Advancedプラットフォームで、キャリアアグリゲーションに対応した基地局モジュールであるFlexi Multiradio 10 Base Stationを含む。ダウンリンクの速度を高めるための2×2 MIMOを活用しているほか、負荷分散機能や電波状態に最適化するための無線リソーススケジューリングの実証も行った。

通信速度の高速化は、国内の大手キャリアでも競争が起こっている。NTTドコモはiPhone 6s/6s Plusの発売と同時に「PREMIUM 4G」に262.5Mbpsのサービスを追加、KDDIも225Mbpsの「au 4G LTE」サービスを提供している。いずれも2波のキャリアアグリゲーションを利用するものだ。一方、今回の試験でソフトバンクは3波のキャリアアグリゲーションに成功したことで、より柔軟な周波数帯の組み合わせを用いて高速化に対応できるようになる。国内でのLTEの3波キャリアアグリゲーションについては、NTTドコモが2015年11月に300Mbpsのサービスを開始することをアナウンスしている。

【報道発表資料】
ノキア、ソフトバンクの商用網にて3波キャリアアグリゲーション試験に成功

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。