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DeNAとヤマト運輸、自動運転・配送実現に向け「ロボネコヤマト」実用実験をスタート

2017.04.17

Updated by Asako Itagaki on April 17, 2017, 06:25 am JST

DeNAとヤマト運輸は、2017年4月17日から2018年3月31日まで、神奈川県藤沢市の一部エリア(12000世帯・人口30000人)を対象に、「ロボネコヤマト」プロジェクトの実用実験を実施する。オンデマンド配送サービス「ロボネコデリバリー」と、買い物代行サービス「ロボネコストア」の2つのサービスを提供する。

▼「ロボネコヤマト」専用車両
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ロボネコデリバリーは、受取人が希望の日時・場所で荷物を受け取ることができる配送サービス。配送時刻の指定は配送希望日当日に10分刻みで選択可能で、対象エリア内であれば自宅以外の場所でも受け取り可能だ。

▼ロボネコデリバリー 受取指定画面
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荷物の到着予定時刻の3分前にスマートフォン等に自動音声で到着を知らせる。共働き世帯や一人暮らしを利用者として想定し、自宅以外のどんな場所で、どんな時間に受け取りたいのか、また路上で受け取るスタイルの安全性について検証する。

ロボネコストアは、インターネット上の仮想モールから対象店舗の商品を一括購入できるサービス。地元の複数のお店の商品をまとめて注文・受け取りができる。荷物の到着予定時刻は、スマートフォンからリアルタイムで確認できる。小さな子どもを持つ家庭や高齢者を主な利用者として想定する。

▼子供を公園で遊ばせながら荷物を受け取るようなユースケースも想定されている
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ロボネコヤマトのサービスには、車内に保管ボックスを設置した専用EV車両を使用する。クール便にも対応する。実験開始時にはドライバーが運転するが、将来の自動運転によるサービス提供を想定して、荷物の受け取りには関与せず、利用者が自ら行う。サービス体験を通して、サービス受容性の検証や、サービス利用時の細かな要望収集を行う。

両社は2016年7月に「ロボネコヤマト」プロジェクトの立ち上げと2017年3月からの国家戦略特区を活用した実用実験開始を発表しており、ほぼオンスケジュールでの進行となる。2018年をめどに、一部配送区間における自動運転導入を予定する。荷物の取扱量急増によりパンクしつつある物流現場の課題に対し、非対面オペレーションノウハウの蓄積と自動運転技術の活用で解決を目指す。

【報道発表資料】
自動運転社会を見据えた次世代物流サービスの実現をめざす「ロボネコヤマト」プロジェクト

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。