2017年9月21日、Procera Networks社はSandvine社の買収を完了し、社名をSandvine(以下新サンドバイン)としました。買収を機に、あらためてプロセラの戦略とビジョンについて、新CEOに就任したLyndon Cantorがお話します。
Sandvine Chief Executive Officer
Lyndon Cantor
新サンドバインが提供するもの
買収に伴う諸手続きを終え、今、ほっとしています。SandvineとProcera Networksは、どちらも15年以上、主にオペレーター様向け市場でさまざまなサービスを展開しており、市場シェアトップのSandvineと2位のProcera Networksで長年マーケットをリードしてきました。
我々は同じ市場でビジネスをしていましたが、フォーカスしていた領域は少しずつ違いました。一緒になってお互いの強みの領域を活かすことで、よりよいサービスが提供可能になると考えたのです。
我々がコアマーケットと考える「ITアナリティクス」「ポリシーと課金」「トラフィックマネジメント」「セキュリティ」「コンプライアンス」「クラウド」の6分野で、両社あわせて通信事業者向けに100以上のユースケースを積み重ねてきました。SandvineとProcera Networksがそれぞれどの領域に強みを持つかを示したのがこちらの図になります。グレーに塗られた部分が大きいほど、強みがあることを表しています。
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2社が合わさることで、1社では十分カバーしきれていなかった領域についても強みとなることが分かります。逆に、2社合わせてもまだ白い部分が残っている領域は、まだケイパビリティが足りていない領域です。今後は重点的に投資を続け、バリューを提供していきます。
新しい価値を提供する「ネットワークインテリジェント」
新サンドバインは2億2500万ドル以上の収益をあげており、17億加入者の情報を扱っています。100か国以上の150以上の主要通信事業者にサービスを提供しています。また、カナダのWaterloo、スウェーデンのMalmo, Varberg、インドのBangaloreにR&Dセンターを展開しています。
通信事業者のネットワーク管理市場は成熟しています。新しい価値をご提案するためのコンセプトが、「ネットワーク インテリジェンス」です。ネットワークインテリジェンスによって、お客様は、どのような加入者が、どんなサービスを利用しており、どのようなアプリが使われているのかが分かります。オペレーターに対しては音声、ビデオ、データのトラフィックをきちんと確認いただけるように、トラフィック管理、ポリシーと課金、IT分析、コンプライアンス、セキュリティの分野で価値あるユースケースを提供しています。
買収でスケールが拡大したことにより、旧プロセラネットワークスの日本の責任者であった菅野は東アジア地域の統括責任者となりました。担当する日本、韓国、台湾には、新サンドバインの主要顧客であるNTT様、ソフトバンク様、KT様、CHT様があります。
クローズドループオートメーションによる自動化
新サンドバインのビジョンは、自動化によるインテリジェントなブロードバンドネットワークをもたらすことです。行動分析結果をインテリジェンスにより理解し、トラフィックへのインラインを活用して装置に送ることで制御する「クローズドループ オートメーション」を提供します。
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クローズドループオートメーションには「Visibility」「Identification」「Behavior」「Action」の4つのコンポーネントがあります。ユーザープレーン・コントロールプレーンのトラフィックを可視化してそれが音声なのかビデオなのかデータなのか、IoTトラフィックなのかといったことを可視化します。我々のコアテクノロジーは、アプリケーションを識別するシグニチャーで、リアルタイムに品質も含めたトラフィック情報を確認できます。高度な機械学習により、それぞれのトラフィックのネットワークにおけるふるまいを推定し、それにもとづくトリガーを生成してネットワークに対してアクションを起こします。ブロックしたり、管理したり、あるいはマネタイズしたりといったことです。
通信事業者は過去に160億ドルをCEM、ビッグデータ分析、インテリジェント・ゲートウェイ、サービスアシュアランスといった分野に対して投資してきましたが、必ずしもお客様のビジネスモデルの課題を解決したとは言えませんでした。その理由の一つが、ネットワークの複雑性が増したことで、お客様のQoEに対する期待が上がったということです。にもかかわらず予算は増えないので、その間にギャップが発生しているのが現状です。
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新サンドバインの戦略は、破壊的なイノベーションによって、この状況を打開することです。自社の強みを活かし、ネットワークから取り出したデータの分析と、機械学習と、自動化によって、お客様のビジネス上の問題を解決したいと考えています。具体的には、これまでに積み重ねてきた100以上のユースケースのうち、まずは35のインパクトのあるユースケースに絞り込んで自動化を行います。キーワークフローの自動化により、お客様に付加価値を提供し、お客様のROIを10倍に上げていきたいと思っています。
自動化によるビジネスモデルの変革を
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新サンドバインの鍵となる差別化要素の基礎は、ネットワークインテリジェンスです。その上で、「よりきめ細かなデータマイニングと理解」「イノベーション、機械学習に対して投資し続けること」「多様なアーキテクチャをダイナミックに適用した予期せぬ事象も取り扱うこと」「クローズドループで従来の10倍の価値を提供すること」の4つにまとめられます。
そのために、SandvineとProcera Networksがそれぞれ持っていたアーキテクチャの良いところを活かして一つにまとめ、共通フレームワークとします。その上で、セキュリティ、クラウド、AI、ヒューリスティック分析、機械学習、クラウド管理サービスなどを研究開発するイノベーション専用チームを立ち上げます。
これまでもSandvineとProcera Networksは、データの分析とそれにもとづく制御のフィードバックを1つ1つ行っていました。しかし今後は、AIを活用して、人が行っていた分析も自動化することで、期待と現実のギャップを埋め、通信事業者の期待するコスト削減を実現します。我々のお客様には、お客様には、我々のソリューションを使うことで、お客様自身のビジネスモデルを変えていただきたいのです。
新サンドバインは、お客様のテクノロジーパートナーにとどまらず、さらに大きな価値をもたらす存在になりたいと考えています。
Samir Marwaha(Chief Marketing Officer)
新サンドバインの誕生から1ヶ月が経過し、市場を見ていて、オペレーターのQoEに対する需要が高まっていることを感じます。いかにオペレーションコストを抑えながら改善していくのかが課題であり、SandvineとProcera Networksが一緒になり、新しい目で市場を見ることで、我々のビジネスは成長できると考えています。新サンドバインはネットワークインテリジェントとオートメーションのリーディングカンパニーとなります。日本のオペレーター様にも自動化によるコスト削減とビジネス課題の解決を進めていきたいと考えています。
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【関連情報】
ネットワークインテリジェントを提供する サンドバイン
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