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猫の健康管理や犬のバイタル計測、シャープがペット向けIoTを開始

2018.06.12

Updated by Naohisa Iwamoto on June 12, 2018, 06:25 am JST

かわいがっているペットが健康でいますように--。これはペットの飼い主の共通する願いだろう。シャープは、IoTの技術を活用してペットの健康を管理するサービスに乗り出す。

ペット事業の第一弾は、猫の健康管理をIoTで実現するペットケアモニター<HN-PC001>。ペットケアモニターは、システムトイレ型のハードウエアと、クラウドサービスを組み合わせて提供するもの。飼い猫の尿の量や回数、体重のほか、ペットケアモニター上の滞在時間といったデータを自動的に計測し、クラウド上に記録することで飼い主はこれらのデータを専用アプリケーション「COCORO PET」をインストールしたスマートフォンから確認できる。さらに、計測したデータを独自の「異変検知アルゴリズム(AI)」を用いて分析し、「尿量が多い(または少ない)」「滞在時間が長い」といった通常とは異なる状況が検知された場合は、飼い主のスマートフォンに通知することもできる。

▼ペットケアモニターの利用イメージ(ニュースリリースより)
価格は2万4800円(税別、以下同)、サービス利用料が月額300円かかる。2018年7月30日に発売を予定する。多頭飼いの飼い主にも対応できるように、別売の個体識別バッジ<HN-PM001>も用意(3980円)。猫の首輪に装着することで、最大3匹までのデータを個別に記録・解析できる。

シャープが提供するもう1つのペットを対象としたサービスが、ペット事業者・研究機関に向けた「犬向けバイタル計測サービス」だ。シャープは、大阪府立大学 生命環境科学域と共同研究により、業界で初めて犬特有の心拍変動パターンを計測することで犬の自律神経バランスを数値化する技術を開発した。犬向けバイタル計測サービスは、この技術を応用したもの。具体的には、独自構造のハーネス型ウエアラブルセンサーを利用し、心拍数や自律神経バランスを数値化する。さらに、呼吸数も心拍変動解析から算出する。これらのデータから、自律神経バランスを加味した犬の健康状態を総合的に俯瞰するデータを提供する。

▼犬向けバイタル計測サービスの利用イメージ(ニュースリリースより)
サービスは、まず2つの分野から提供する。1つは、ペット関連商品やサービスを開発する関連企業向けの計測・解析サービス、もう1つは、研究機関向けの計測システムのレンタルサービスである。2018年7月1日にサービスを開始する。犬の医療費の高額化が社会課題となる中で、犬の健康状態をデータで管理することで、ペット関連商品やサービスの開発加速や健康管理の研究開発の促進につなげたい考え。獣医師向けや一般向けの提供も視野に入れている。

【報道発表資料】
猫用システムトイレ型 ペットケアモニター<HN-PC001>を発売
ペット事業者・研究機関対象「犬向けバイタル計測サービス」を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。