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科学・技術・芸術の社会実装Social Implement of STEAM

真の科学者へと駆り立てるのは神秘の感覚である

「選択して集中する」という手法は常に正しいわけではない。それが有効に働く場合、つまり選択が賢明であり、しかもその選択したものに集中的にリソースを注ぎ込むことができた場合にのみそれは正しかったといえるのであって、それは結果が出てみないとわからない。

2023.05.02

オンラインショッピングは、近代の豊かな消費生活を壊すものだといえるのか

日本における近代消費社会の勃興を考える上で無視できないのがデパート(百貨店)である。三越や白木屋、高島屋、大丸など、今日の大手デパートの多くは、江戸時代に呉服店として創業した(ただし白木屋は現在閉店。その本店跡地には2004年「コレド日本橋」が開店)。

2023.04.27

生きている生物を分けていくことで、人は世界の解像度を上げている

分類学とは、生物に名前をつけ、認識可能にすることで、人類が生物を利用することを可能としている生物学のいち分野である。例えば世界を騒がせたSARS-CoV-2、いわゆる新型コロナウイルスも、名前がつけられているからこそ、いち早く世界中で情報を共有することができ、感染拡大を防ぐ対策を打つことができた。

2023.04.25

研究の毛細血管を干上がらせる「選択と集中」への熱狂

近年のコロナ禍の副作用として、大学教育における授業形態その他が大きく変化したのはいうまでもない。現在、数回に及ぶ流行の波のために、人が密集しやすい教育現場ではオンライン授業が導入されており、対面授業の制限が緩和された現在でも、特に必要がない限り、オンラインを続行すると宣言する教官も少なくないようだ。

2023.04.20

イギリスは優れた借金返済術を編み出したのちに、世界の覇権を握った

戦争のための出費が膨大になり、17-18世紀のヨーロッパで、国家支出に占める戦費の比率が急激に上昇した。この時代のヨーロッパ諸国を形容するに際し、もっとも適切な用語はおそらく「財政 = 軍事国家」であろう。

2023.04.18

サイエンスコミュニケーションがうまくいかないときに考えてみてほしいこと

サイエンスコミュニケーションという分野がある。この場合のサイエンスは、広く科学技術、テクノロジーを含むことが多い。文字通りサイエンスを伝えることだが、専門家と非専門家の間のコミュニケーションであることが特徴である。これは実践活動でもあるし、それを対象とする研究分野でもある。

2023.04.13

最新のデータが未来に近いとは限らない

再エネ関連の報道で取り上げられるデータが古いことは、しばしばある。そしてそれを批判する記事も少なくない。

2023.04.11

人類が生み出したLLM。だが、人類はその正体をちっとも理解できていない

昨今、ChatGPTを筆頭とする、いわゆるLLM(Large Language Model)の話題がかまびすしい。人類が生まれて初めて、人間以外で「人間らしく」会話できる機械(というかアプリケーション)を手にしたのだから、無理もない。

2023.04.06

2010年代、レーダー衛星事業にベンチャー企業が参入。絶え間なく地球を観測できるようになった人類は植物を空から見る

1960年代から80年代にかけて、旧ソ連は、「US-A」という船舶を監視する軍事用レーダー衛星を、高度250キロメートルという非常に低い高度に打ち上げて運用した。この高度だと、普通は空気抵抗でじきに衛星が落ちてしまう。そこでソ連は、衛星から大きな空気抵抗を発生する太陽電池パドルを取り去ってしまい、代わりに、なんと衛星にウラン燃料を使う原子炉を搭載し、レーダーが必要とする大電力を賄った。

2023.04.04

仮面ライダーに見る、万博とナチスドイツ

今回は、仮面ライダーに目を向けてみよう。大阪万博が登場するのは、第7話の「死神カメレオン 決斗!万博跡」(1971年5月15日放送)だが、このエピソードも第6話との前後編で構成されている。

2023.03.30

ウルトラマンを大阪万博で紐解く

特撮は日本が世界に誇る文化の一つと言ってよいが、その長い歴史を通じて生まれてきた多くのヒーローの双璧がウルトラマンと仮面ライダーであることは、大多数の読者が認めるところであろう。両者はともに誕生から50年以上の長寿コンテンツであり、日本のサブカルチャーシーンに絶大な影響を与える一方で、21世紀の現在も継続的に新作が作られ、新しいファンを生み出し続けている。

2023.03.28

花見の予定だけではない。桜前線からわかること

仕事柄、横浜地方気象台に何度か訪れたことがある。横浜の山手地区、洋館や外国人墓地の立ち並ぶ観光エリアの中に横浜地方気象台は存在する。昭和初期のアール・デコ調の本館と安藤忠雄設計の新館は一見の価値がある。

2023.03.24