original image: © Ingo Bartussek - Fotolia.com
[2016年第10週]映像監視ソリューションが続々、ドコモ375Mbps化、ワイモバは261Mbpsルーター発売
2016.03.09
Updated by Naohisa Iwamoto on March 9, 2016, 15:44 pm JST
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2016.03.09
Updated by Naohisa Iwamoto on March 9, 2016, 15:44 pm JST
3月8日から始まる「SECURITY SHOW 2016」の開催を控えて、監視カメラなどを活用したセキュリティーソリューションの発表が相次いでいる。IoT関連のニュースも引き続き堅調。モバイルブロードバンドでは、NTTドコモが「PREMIUM 4G」の375Mbpsへの高速化をアナウンス。ソフトバンクの「Y!Mobile」でも261Mbps対応のモバイルルーターの発売を発表している。
まず監視カメラ関連のトピックから見ていこう。三菱電機とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、監視カメラを使った新しいソリューションの提供を目指して協業すると発表した。三菱電機が持つ監視カメラや映像解析技術と、NTT ComのクラウドサービスやAI(人工知能)技術を組み合わせて、防犯用途だけでない監視カメラの新しいソリューションを創出することが狙いだ(関連記事:AI映像解析を使い監視カメラに新ソリューション創出、三菱電機とNTT Comが協業)。
監視カメラソリューションの導入を容易にするクラウドサービス提供の話題。ソニービジネスソリューションは、クラウドベースのセキュリティーカメラ映像記録サービスを2016年6月に開始する。同サービスを提供する米Eagle Eye Networksと国内販売店契約を締結し、国内でのサービスを提供する。主に、1拠点あたりカメラ15台以下の小規模他拠点システムの構築、運用に際して、クラウドベースのサービス提供によりコスト削減やセキュリティー確保に効用があるという(報道発表資料:高度なセキュリティーを確保したクラウドベースのセキュリティーカメラ映像記録サービスを提供開始)。
監視カメラシステムそのもののセキュリティー確保へ。パナソニック インフォメーションシステムズの連結子会社であるヴイ・インターネットオペレーションズは、同社の映像監視システム「ArgosView映像監視システム」の新バージョンを3月31日に発売する。新バージョンではIPカメラへの不正アクセスを防ぐセキュリティー機能として、(1)IPカメラのパスワード設定を定期的にチェックする「セキュリティレベルチェック機能」、(2)防犯監視システムの構成機器の死活監視が可能な「構成機器チェック機能」(3)システムログからリソース使用率などを自動でチェックする「ログチェック機能」を備えた(関連記事:パスワード未設定の監視カメラを警告、監視システムの「ArgosView」が新バージョンで対応)。
IoT関連のトピックもチェックしておこう。IoT推進コンソーシアム技術開発WG(スマートIoT推進フォーラム)の第1回部会が開催された。スマートIoT推進フォーラムには技術戦略検討部会と研究開発・社会実証プロジェクト部会が設置されており、この日の会合は両部会の合同会合となる。森川博之技術戦略検討部会長(東京大学先端科学技術研究センター教授)からは、同部会の会員アンケート結果の概要と「技術・標準化分科会」「テストベッド分科会」「IoT人材育成分科会」の設置が報告された。
また下條真司研究開発・社会実証プロジェクト部会長(大阪大学サイバーメディアセンター教授)からは、同部会の会員アンケート結果の概要と「自律型モビリティプロジェクト」「スマートシティプロジェクト」の2つのプロジェクトの設置が報告された(関連記事:スマートIoT推進フォーラム合同部会開催、社会実証は自律型モビリティとスマートシティから)。
ビッグローブは、OSにAndroidを採用した小型のIoTデバイス「BL-01」の企業向け開発キットの提供を開始した。BL-01の開発キットは、GoogleのAndroid 4.4.2向けアプリケーション開発環境に対応し、専用の開発ツールなどを使わずに自由な開発ができる。
3万5000円(税別、モバイル回線別)で開発キットを提供するほか、企業のソリューション開発のサポートも行うことで、企業や行政などの新しいIoTサービス提供を支援する(関連記事:ビッグローブがAndroid搭載のIoT端末の開発キットを提供、ソリューション開発を支援)。
ドローンに関連した話題もあった。パナソニック システムネットワークスは、ドローンの飛来を検知する「ドローン検知システム」を発売する。ドローンが飛来する際の音を認識して、検知する仕組みだ。新開発の32チャンネル集音アレイマイクと、IP対応の9メガピクセルの全方位カメラを組み合わせて構成する。同種のシステムでは100mから200mの検知が一般的な中で、約300m先のドローンを認識できるようにした(関連記事:300m先のドローン飛来を音で検知、パナソニックが検知システム)。
このほか、ネットワークに関連するトピックを紹介する。NTTドコモはネットワーク説明会を開催し、キャリアアグリゲーション(CA)強化によるさらなる高速化と3.5GHz帯を含むネットワーク高速化の取り組みと、災害時のネットワーク信頼性強化の取り組みについて説明した。PREMIUM 4Gは、の高速化の取り組みとして、800MHz帯のフルLTE化により、2.1GHz+1.7GHz+800MHz帯の3CCAで受信時最大375Mbpsに増速する。新たな周波数となる3.5GHz帯は、2016年秋の提供予定を前倒しし2016年6月の提供を予定する。3.5GHz帯の20MHz幅×2波のTDD-LTE方式と既存周波数帯のFDD-LTE方式の3CCAで提供。通信速度は1.7GHz帯と組み合わせた時で上り最大50Mbps、下り最大370Mbpsとなる(関連記事:ドコモの3.5GHz帯TDD-LTE商用化は2016年6月 ネットワーク説明会を開催)。
ソフトバンクでも高速化のニュース。同社はY!mobileブランドの新商品として、下り最大261Mbpsの超高速通信が可能なモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 504HW」(ファーウェイ製)を2016年3月中旬以降に発売する。キャリアアグリゲーション(CA)と送受信にそれぞれ4本のアンテナを使う「4×4 MIMO」の双方の技術を1台で採用することで、最大261Mbpsのデータ通信速度を実現した。また、干渉を受けにくく高速な「IEEE802.11ac(5GHz)」にも対応した(報道発表資料:Y!mobile、下り最大261Mbpsの超高速通信が可能な「Pocket WiFi 504HW」の発売について)。
未来の高速ネットワークに1つの形。東京工業大学、ソニー、日本無線、KDDI研究所は、40GHz帯と60GHz帯協調による次世代高速ワイヤレスアクセスネットワークの共同研究開発の成果としてネットワーク構築試験に成功したと発表した。
大容量コンテンツ配信を目的とし、5Gでの利用が検討されているミリ波帯による高速通信サービスの1つの将来の姿を示したものだ。「無線モジュールの開発」「ワイヤレスアクセスシステムの開発」「ワイヤレスアクセスネットワークの開発」「ワイヤレスアクセスネットワークの経路制御技術の開発」の4つの技術的ポイントとなる(関連記事:40GHz帯と60GHz帯を協調させた高速ワイヤレスアクセス、東工大などがネット構築に成功)。
3大キャリアと格安SIMのユーザーで氏はラブ料金には大きな差。MMD研究所は、15歳以上でスマートフォンを所有する男女1105人を対象に「2016年スマートフォンの利用料金に関する調査」を実施した。その結果、現在支払っているスマートフォンの平均月額料金は6823円だった。そのうち大手3キャリアのユーザーは平均7433円だったのに対して、格安SIMユーザーは平均2067円と大きな差があった。こうした料金に対しては、大手3キャリアユーザーの49.5%が「とても高いと思う」と回答した一方、格安SIMユーザーの45.2%が「妥当だと思う」と回答し、妥当だと思う意識も差が付いている(報道発表資料:現在支払っているスマートフォンの平均月額料金は6,823円、大手3キャリアユーザーは平均7,433円、格安SIMユーザーは平均2,067円)。
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