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  • エリートと教養12 現代日本語考 6 日本語を歌う

    2020.11.26

    前回、最後は七・五の詩とそれに重なる歌の話になりました。私の過去の中で、もう一つの七・五の世界は、旧制高校の寮歌です。無論、私は新制度の人間ですが、父親は、四、五歳の私に、一高の寮歌を歌わせようとしました。中でも最も有名なのは『嗚呼玉杯に花うけて』です。後に佐藤紅緑が同名の小説を書いたほど、広く知られた歌になりました。

  • エリートと教養11 現代日本語考 5 日本語を読む

    2020.11.09

    賢治の作品を読んで誰もが気付く一つの特徴は、独特のオノマトペがふんだんに盛り込まれていることです。「北守将軍」では、ソンバーユ将軍が人馬もろともに、三人の医者の許を訪れるときの、「ぎっ ばっ ふう」、「月夜のでんしんばしら」では「ドッテテ ドッテテ ドッテテ ド」、「風の又三郎」では「どっどど どどうど どどうど どどう」などなど、枚挙にいとまがありません。

  • 「音楽 その光と塩」 9. 「能」とは何か?

    2020.11.02

    いろいろな機会に、私がヨーロッパのクラシック音楽には一応の素養があり、なかでもチェロを永年弾いてきたことについては、文章を書き散らしてきました。しかし、このシリーズでは、僅かですが日本の古典芸能である能・謡曲に関しても、むしろ西洋音楽よりも早い時期から学ばされたと述べただけで、その詳細には口をつぐんできました。本稿では少しだけ、その背景をお伝えすることから始めたいと思います。

  • スーパー書評「漱石で、できている」8 帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』

    2020.10.26

    著者は精神医学の専門家で、臨床医でもあるかたわら、現在は九州でクリニックを開いておられる現役の医師。他方、もともと大学ではフランス文学を専攻し、医学は大学に入り直されて資格を取られた、という経歴からも推測できますが、文芸の世界にも独自の世界を切り開かれ、多くの小説を世に問うて来られました。

  • 反東京としての地方建築を歩く12 「前川國男のまち、弘前」

    2020.10.22

    新型コロナ・ウイルスの影響によってオープンが遅れた「弘前れんが倉庫美術館」は、コンペで勝利した田根剛が設計したものだ。注目すべきは、フランスにも拠点を置いて活躍する若手建築家による日本国内の最初の公共施設であること。もっとも、新築ではない。築約100年になる酒造工場(戦後はシードル製造所として使われた)をリノベーションしたものである。

  • エリートと教養 10 宗教について

    2020.10.20

    日本国憲法第八九条の内容をご存じでしょうか。そこには「公金」は「公の支配に属しない慈善、教育、博愛」の施設に支出してはいけない、という意味のことが明確に書かれています。実はその前に、「宗教」に対しても同様の記述があります。

  • 続・学術会議問題 手続きの合理性と学問の自由は別次元にある

    2020.10.13

    拙論に対して、ご賛同、ご批判を多く戴いたようです。私の論点は、現政権の今回の措置への援護と受け取られた方もあったようですが、趣旨はそうではありません。注意深く書いたつもりだったのですが、何分にも急いで書きましたので、誤解が生じた向きもあったので、多少の補足をしておきます。

  • 学術会議問題は「学問の自由」が論点であるべきなのか?

    2020.10.07

    日本学術会議次期会員の推薦候補の一部を内閣が任命しなかった事について、出発点から、「学問の自由の侵害」と捉え、糾弾するのが新聞輿論のようです。一部の学者や識者層も、その立場で動こうとしているようです。

  • エリートと教養 9 現代日本語考 4 日本語を書く

    2020.10.06

    外国人が日本語を学ぼうとしてぶつかる困難の一つは、書字体系が、漢字・ひらがな・かたかなの三種類からなっていることだといいます。無論外国語でも、複数の書字体系があるのは、別段珍しいことではありません。例を英語にとれば、大文字と小文字があり、さらに活字体と筆記体の区別もあります。

  • 「音楽 その光と塩」 8. 音楽とは(承前)

    2020.09.17

    前稿(「音楽 その光と塩」 7. 音楽とは)では、自分が幼い頃に浸っていた音楽の環境を、特に歌に焦点を合わせて振り返ってみました。小学唱歌から、日本歌曲、ドイツ・リート、戦時歌謡から流行歌まで、自分が何を歌っていたかの記憶を辿ってみた次第です。