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2015年第15週

[2015年第15週]LTE-Advanced 225Mbps時代に突入、タクシーや地下街で位置情報活用サービス

Weekly Report: Week 15 2015

2015.04.13

Updated by Naohisa Iwamoto on April 13, 2015, 12:41 pm JST

スマートフォンで下り最大225MbpsのLTE-Advancedが利用できる時代が、国内にもやってくる。すでに「PREMIUM 4G」としてモバイルルーターで225Mbpsのサービスを利用できるNTTドコモにつづいてKDDIも225Mbpsのサービス開始を表明。両社はサムスン電子の最新スマートフォン「Galaxy S6 edge」などを提供し、スマートフォンで超高速のデータ通信を利用できるようにする。タクシーに設置したBeaconで情報サービスを提供したり、GPSの電波が届かない地下街でも歩行者ナビゲーションを提供したりするといった、位置情報関連のニュースも相次いだ。

Galaxy S6/S6 edgeが225MbpsのLTE-Aに対応、iPhone 6はVoLTE対応

まず、225MbpsのLTE-Advancedのトピックから見ていこう。サムスン電子ジャパンは、Galaxyシリーズの最新モデルとなる「Galaxy S6」「Galaxy S6 Edge」を日本市場で発売する。国内向けのモデルはNTTドコモから「Galaxy S6 SC-05G」「Galaxy S6 edge SC-04G」の2機種、KDDIから「Galaxy S6 edge SCV31」が販売される。発売はいずれも4月23日だ。Galaxy S6は平面ディスプレイを搭載する一方、Galaxy S6 edgeは両サイドに向かって曲面を描く「デュアルエッジスクリーン」を搭載した。

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NTTドコモから発売されるモデルは、NTTドコモのLTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」に対応。キャリアアグリゲーションにより、受信時最大225Mbpsの高速データ通信が可能。一方、KDDIから発売されるモデルはauの「4G LTE」で、キャリアアグリゲーションにより受信時最大225mbpsの高速データ通信が可能。さらに「WiMAX 2+」でもキャリアアグリゲーションに対応し、受信時最大220Mbpsの通信ができる。スマートフォンも単体で200Mbpsオーバーの高速データ通信が可能な時代に突入した(関連記事:ドコモとKDDIから225MbpsのLTE-Advancedに対応した「Galaxy S6」「同S6 edge」)。

Galaxy S6 edgeの発表に先立ってKDDIは、2015年夏を目途にキャリアアグリゲーション(CA)による下り最大225MbpsのLTE-Advancedのサービスを開始するとアナウンスした。全国の一部のエリアから順次提供を開始するという。下り最大220Mbpsの「WiMAX 2+」への対応に加えて、下り最大225Mbpsの「4G LTE」という2つのキャリアアグリゲーションに対応したスマートフォンを順次発売するとしており、その第一弾としてGalaxy S6 edgeが発表されたというわけだ(報道発表資料:「4G LTE」キャリアアグリゲーションで受信最大225Mbpsへ。)。

キャリアアグリゲーションと並ぶ新しいサービスの1つで、高音質の音声通話ができる「VoLTE」でも動きがあった。NTTドコモとKDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、VoLTEをiPhone 6、iPhone 6 Plusで利用できるようになったとアナウンスした。iPhone 6、iPhone 6 PlusでVoLTEを利用するには、iOS 8.3へのアップデートが必要。その後にキャリア設定アップデートを行うことでVoLTEの利用が可能になる(関連記事:ドコモ、KDDI、ソフトバンクのiPhone 6、iPhone 6 Plusが「VoLTE」に対応)。

タクシー、地下街、モビリティサービスなどで位置情報を活用

位置情報に関連するサービスのニュースも相次いだ。日本交通、博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂、ACCESSは、タクシーにBeacon端末を設置してスマートフォンアプリに情報を提供する実証実験を開始した。日本交通グループの約1600台のタクシーで実施する。日本交通タクシー配車アプリがタクシー内のBeaconに反応し、企業の動画広告のお知らせを通知する。利用者はタクシー乗車から降車までの時間に視聴した動画広告の数に応じて、次回以降のタクシー料金の割引を受けられるクーポンをアプリ上で受け取れる(関連記事:タクシーに設置したBeaconで割引クーポンをゲット! 日本交通とACCESSなどが実証実験)。

歩行者向けのナビゲーションサービスをより便利に。NTTドコモは、「ドコモ地図ナビ powered by いつもNAVI」のAndroid向け「地図アプリ」に、スマートフォンが搭載するセンサー技術を活用した「屋内ナビゲーション機能」を追加し、4月13日に提供を開始する。地下街や地下鉄駅構内など、GPSで測位が困難な屋内でもナビゲーションが利用できるようになる。当初は、全国約320カ所の地下鉄駅構内および地下街で提供する(発表資料:利用イメージおよび主な提供場所(PDF))。

ソフトバンクが本格提供に乗り出すモビリティサービスでもBeaconを使って観光情報などを提供へ。一般財団法人明日香村地域振興公社とソフトバンクモバイルは、超小型モビリティのレンタルサービス「MICHIMO」(ミチモ)を4月17日にグランドオープンする。飛鳥地方を訪れる観光客向けに超小型モビリティを貸し出しするサービスで、2014年10月にプレオープンし、今回グランドオープンする。超小型モビリティの充電を太陽光発電に変更、台数もこれまでの2倍以上の17台に増やすほか、観光をサポートするアプリ「MICHIMOナビ」もiBeaconに対応するなどのバージョンアップを行う(報道発表資料:奈良県飛鳥地方での超小型モビリティレンタルサービス事業「MICHIMO」、4月17日グランドオープン)。

NICTは対災害SNS情報分析システム、NECがIoT向け通信技術

このほかの主なトピックを紹介する。技術に関連する話題をまず2本見ていこう。国立研究開発法人情報通信研究機構(以下NICT)は、対災害SNS情報分析システムDISAANA(ディサーナ)のリアルタイム版のWeb上での試験公開を開始した。

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DISAANAリアルタイム版はTwitterに投稿された日本語ツイートをリアルタイムに分析し、自然文により入力された質問に対して回答候補を与える。パソコンやスマートフォンのブラウザから「大雪が降っているのはどこ?」「孤立しているのはどこ?」「京都で交通事故が発生しているのはどこ?」といった質問を入力することで、誰でも今まさに起きている災害の情報を入手できる(関連記事:NICTが災害関連ツイートのリアルタイム分析・検索システムを試験公開)。

NECは、モバイルネットワークでIoT(Internet of Things)デバイスを利用する際のネットワーク負荷を減らす技術を開発した。IoTデバイスは、人間が利用する携帯電話やスマートフォンなどと異なり、一定の間隔で定期的に通信したり、一定速度で移動したりといった特性がある。NECではこうした特性を把握してIoTデバイスの通信接続状態や位置に応じた制御をすることで、新技術で制御信号数を従来の約10分の1に削減できることを実証した。新技術はモバイルネットワークの標準化団体である3GPPで、LTE-Advancedの拡張機能を規定する「3GPPリリース12」に採用されたという(関連記事:NEC、IoTの制御信号を削減してネットワーク負荷を軽減する技術を開発、3GPP標準に採用)。

ピンタレストが日本向けプロダクトの開発に新チームを発足。ピンタレスト・ジャパンは、日本向け製品を開発する「ジャンプスタートチーム」を東京に配置したことを発表した。

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同社としてはローカルチームの配置は東京が世界で初めて。デザイナーとエンジニアの計5名がチームメンバーとして来日し、東京で暮らしながら自由な発想で日本市場向けのプロダクトを開発する(関連記事:Pinterest、東京にジャンプスタートチーム配置で日本向け製品開発を目指す)。

iPhoneの商品説明に必ず「iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。」と示されているアイホンから、iPhoneでも利用できるスマートフォン連動テレビドアホンが発売される。「ROCOワイドスマホ」(ロコワイドスマホ)の名称で、カメラ付玄関子機、モニター付親機のセットである基本セットが7万6800円。無線LANで接続したスマートフォン、タブレットを増設親機として利用して来訪者の映像確認や音声での応対が可能になる(関連記事:アイホン、スマートフォンで来客対応できるテレビドアホンを発売)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。