和の強みは様々に繰り返し伝えられているが、同じくらい弱点もあると考えるべきだ。日本人が得意ということになっている「高品質」は、ある閾値を超えると「過剰品質」に転じる。高品質は強みかもしれないが、過剰品質は「適度な品質で低価格な商品」に絶対に勝てない。新しい和のサービスや和の事業は、強みと弱点をリフレーミングすることから生まれてくるはずだ。
2021.06.25
「繰り返し利用しても劣化しない過去の作品群」が膨大に積み重なったのがデジタル社会だ。現在起きている様々な課題を解決するために、最先端の道具よりも過去の良質なデジタルアーカイブが役に立つ局面が増える可能性がある。岩波新書を発掘してみよう。
2021.06.16
全ての人がメディアを所有することを可能とする時代、専門家と非専門家の区別が曖昧な時代に、医療、行政、政治、メディアなどの“専門家”はどう振る舞うべきなのかを、佐藤卓己氏(京都大学教授)と村上陽一郎氏の対話の中から考えていきたいと思います。
2021.05.28
米国の社会学者レイ・オルデンバーグ(Ray Oldenburg)が、著書『The Great Good Place』でサードプレイス(3rd Place:職場でも自宅でもない、寛げる第3の場所)の重要性を指摘したのは1989年だ。彼の主張自体はジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs)の『アメリカ大都市の死と生』(1961)を下地にしていて、都市化が進行していく中で、インフォーマルでお気軽な社交の場が失われ、家庭や職場以外でのコミュニケーションが喪失されていることを嘆くものだったと考えて良い。
2021.05.19
日本語の場合、いわゆる「食」に関する語彙数が「世界一多い」ということもあるので、食品や食事に関連する言語や言葉とその用法に関する課題を中立・公正・科学的に取り上げようとする「食品言語学」なる学問があっても良さそうな気がするのである。
2021.04.09
2020年5月にキックオフした「新教養主義宣言」は、2021年4月から内容と形式を大幅にパワーアップして再スタートします。これまでは月1回の単発Webイベントでしたが、4月からは選りすぐりの識者が主宰する6カ月程度続く私塾(オンラインサロン)が複数展開される形式になります。
2021.03.19
熱力学第二法則のメッセージは、極めてシンプルだ。熱的に閉じた系で不可逆的変化が生じると元には戻りません、何もしなければ乱雑さ(エントロピー:entropy)は増える一方ですよ、と主張しているに過ぎない。 エントロピーの増 […]
2021.03.12
欧米の主要メディアでは既に「DX」という言葉はほとんど使われてていない(単純に「Digital」とだけ表記されていることが多い)。日本国内でも、中小企業経営者でDXに関心がある人はほとんどいないだろう。経産省や一部の大企 […]
2021.02.18
現在の株式会社は、イギリス東インド会社の2年後(1602年)に設立されたオランダ東インド会社にその原型を見ることができる。オランダ版には、1)出資した額以上の責任が発生しない(有限責任)、2)株式を自分の好きなタイミング […]
2021.01.04
「学校教育における破壊的なイノベーションとは、個別学習のことである」。これは、クレイトン・クリステンセン(Clayton Christensen)が2008年にその著書『教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革 […]
2020.12.07